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秋篠宮さまお誕生日 会見全文(3/4)

2018年11月30日 9:53

【問5】
殿下にお伺いします。この1年を振り返り、印象に残る出来事とご感想をお聞かせください。

殿下 この1年もいろいろありました。まず先ほどと少し重なりますけれども、自然災害が非常に多い年でした。それは地震もありましたし、台風もありましたし、それから豪雨もあったわけですね。私自身はそれらの災害があった場所としては広島県に参りました。まず最初に驚いたといいますか、広島の空港を出て、それから行った場所が坂町になります。済生会病院ですけれども。高速に乗ったときにいろいろなところで土砂崩れ、大きい土砂崩れがあって、しかも道にも流されてきた木があって。こういう場所だということをですね、普段なにげなく広島の空港から街中に出るときに高速道路に乗っていますが、改めてその地形をそのときに認識しました。また、被害が大きかった小屋浦の方にも行きまして、そこで避難している人たちとも話をする機会がありました。やはり避難している人たちにとってもこれほどの大きい災害になるとは思ってもいなかったという声が、何人かの人からありました。確かに川の脇を歩いていると、その川の水量が上がって、しかも流木が流れてきたり、その他でもって大きい被害が出たわけですが、水の力というのがこれほどまでにすごいのかということを改めて私は認識しました。そして、今後どのようにして防災そして減災をしていくかというのを、今、日本中どこでもその可能性はあるわけですので、それを考えていかないといけないということを再度思いを新たにしました。

また、今年は日本人がハワイに移住して150年になります。私は今までハワイはホノルルの空港しか知りません。トランジットのため。ですから今回現地に行って、それから日系社会の人たちと話をし、その人たちが小さかった頃の話(を聞いたり)、それから(日系社会の人たちは)今8世までいるわけで、8世はまだ小さいお子さんでしょうけれども、いて、その人たちが日本について思っていることであったりとか、様々なことを聞く機会になるとともに、本当にホノルルの近辺だけですけれども、かなり音楽であったりとか、歌であったりとか、それから植物利用であったりとか、様々なことを私自身知ることができて大変良い機会だったと思います。いろいろその他ありますけれども、今年はノーベル生理学・医学賞、 本庶佑さんの受賞が決まりました。最近は日本人で受賞する人も多くて、「今年も」ということになってくるんだと思いますが、もちろんそのいわゆる免疫チェックポイント阻害剤ですね、オプジーボ。まだまだおそらく課題はたくさんあると思いますけれども、今後の悪性新生物に対する一つの柱になっていくことが期待されるのではないかと思います。そして後は、先ほども日本人の活躍ということをお話ししましたが、若い世代の人が非常に活躍した年だったなと思います。少しだけ例を挙げれば将棋で藤井聡太さんもそうですし、15歳でしたかね。それから、オセロゲームも大幅に記録が更新されて11歳の福地啓介さんですか、が世界タイトルを取られたという、そしてテニスの大坂なおみさんが日本人としては初めてですかね、グランドスラムの全米のシングルス優勝、その他もろもろオリンピック・パラリンピックもありましたし、いろいろな分野で若い世代の人たちの活躍が目立ち、これはほんとに明るい話題だったと思います。