日本語習得、もはや欠かせぬ「アニメ」の力
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「外国人ビジネスパーソン、日本語の習得方法は?」。トラベルフォトグラファーのKYON.Jさんに聞いた。
外資系求人を行う企業が、日本語能力がビジネスレベル以上の外国人ビジネスパーソン300人に「日本語習得に関するアンケート」を行った。すると、20代では「映画・ドラマ」「アニメ」「漫画」という答えが多くなった。そして、日本語を学ぶきっかけとなった「アニメ」「漫画」の作品名を聞いたところ、(1)ナルト、(2)ワンピース、(3)ドラゴンボール、(4)デスノート、(5)スラムダンクが上位に並んでいる。
ネット上では「日本語学校のテキストもマンガにして欲しい」「コナンの服部平次の影響で覚えた日本語が関西弁」「SUITSで英語勉強中。習得方法はどの語学も一緒」という声が聞かれた。
――KYONさんのご意見はいかがでしょう。
『私はオタクです』と書きました。実は私、“アニオタ”で“ゲームオタ”で“声優オタ”で、日本のアニメが好きすぎて、英語が専門だったんですけど、10年前に日本にやってきました。
――どんなアニメが好きなんですか。
大学時代は「銀魂(ぎんたま)」が好きで、フルバージョン全部見ました。最近はまっているのは「七つの大罪」や「約束のネバーランド」、「転生したらスライムだった件」とかです。声優さんでは一番好きなのは神谷浩史さんとか、福山潤さんとか…彼らがキャストしているCDドラマとかは大学時代はよく聞きながら寝ていました。
――それを聞きながら日本語を覚えてた?
それを聞きながら何を言っているかわからないんですけど、そのイントネーションとかを発音をまねして、日本人の友達に話してみるとか、ひたすら日本語しか存在しない世界を自分でつくって、練習の機会を増やして、日本語を習得したという感じですね。きっかけはすべてアニメからです。
今、中国では、違法になるんですけど、日本のドラマとかアニメに、中国字幕をつけてアップロードされるサイトもたくさんあるんです。それに頼って、日本語の勉強をする大学生とかたくさんいると思います。もちろん、それは違法になると思いますが。
日本文化が広がっていく中で、日本語は割といい役割をつくっていて、みんな日本語を覚えながら日本の文化――例えば「鳥居」とか、そういう単語とかを覚えていると思います。
――今回のテーマのひとつ外国人ビジネスパーソン、要はビジネスの日本語を習得するにはどんなポイントがあるのでしょう。
やはり日本の企業に入社することがポイントだと思いますが、メールのやりとりとか、上司や先輩との話、尊敬語・謙譲語は日々使うことで身につけることが一番大事なポイントかなと思います。間違うことを恐れないことですね。
■KYON.Jさんプロフィル
中国出身で日本の広告代理店で働く中、仕事の記録のために手にしたデジタル一眼レフが人生を大きく変えた。大自然の美しさに魅了され、その感動を伝えるため世界中の絶景を撮るように。作品は、「ナショナル ジオグラフィック」やBBCなど多くのメディアで紹介され、国際的にも高く評価されている。2018年には写真集「GRACE OF LIGHT」を発売。さらに個展を開くなど、精力的に活動している。
【the SOCIAL opinionsより】