特別監察委「言語道断」勤労統計検証結果
厚生労働省の勤労統計の不正問題で、特別監察委員会は「言語道断」などとする検証結果をまとめた。
厚労省は、2004年から毎月勤労統計調査で、従業員500人以上の事業所を全て調査すべきところ、東京都の分は3分の1だけを抽出して調査していた。抽出調査にしたきっかけについて、当時の担当係長は「都道府県の担当者の負担を考慮したからだと思う」などと答えたという。
特別監察委員会は、代々の課長クラスは漫然と従前の取り扱いを踏襲していたとし、部局長クラスも実態の適切な把握を怠り、是正しなかったと指摘した。また、去年1月以降の調査は「統計法に違反するものと考えられる」と結論付けた。
さらに、厚労省が、マニュアルから抽出調査を容認する記述を2014年になって削除したことが、隠蔽(いんぺい)工作ではと指摘されているが、当時の担当課長は「特定の都道府県のことをわざわざ全国に送付しなくてもよいと考えた」などと答えたという。そして、検証の結果、組織的隠蔽は認定できなかったとした。