勤労統計“不正調査”検証結果うけ処分発表
厚生労働省が勤労統計を不正に調査していた問題で、弁護士らで構成する特別監察委員会の検証結果が提出されたのをうけて、根本厚生労働相が処分を発表した。
根本厚労相は、鈴木俊彦事務次官と労働分野のトップである宮川晃厚生労働審議官を訓告処分とするなど、22人の処分を発表した。根本厚生労働相と副大臣、政務官も給与4か月分などを自主返納した。
また、この問題で、特別監察委員会は去年1月以降の調査について、「統計法に違反するものと考えられる」などとする検証結果をまとめた。
厚労省は2004年から毎月勤労統計調査で、従業員500人以上の事業所を全数調査しなければならないのに、東京都の分は、3分の1だけを抽出して調査を行っていた。
特別監察委員会は、検証の結果、去年1月以降の調査については、「全数調査」で総務相から調査計画の承認を得ており、抽出での調査は、「統計法に違反するものと考えられる」としている。
また、代々の課長クラスは、「全数調査に戻すと、都道府県の負担も増加してしまう」などと答えたということで、特別監察委員会は、この事実を知りながら、漫然と従前の取り扱いを踏襲していたと指摘した。
さらには、その上の部局長クラスも、実態の適切な把握を怠り、是正しなかったと指摘したが、組織的な隠蔽(いんぺい)は認定できないとしている。