各地に“バンクシー”の絵 誰が、ナゼ?
都内で、ナゾの画家バンクシーの可能性がある絵が見つかった。その発見以降、バンクシーに似せた絵が各地で見つかっている。誰がどのように描いてるのか、芸術なのか、落書きなのかを取材した。
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都内の公園で、倉庫の壁に描かれた風船と少女のような絵が話題になっていた。
写真を撮った住民「(Q.なぜ写真撮ったんですか?)みんな見てるし、バンクシー?」
バンクシーといえば、街の壁などにゲリラ的に絵を描き、世界に知られる覆面画家。公園に描かれていた絵は、バンクシーの作品に似ているようにも見えるが、21日に改めて見に行くと、落書き禁止のポスターが貼られていた。
公園を管理する港区は警察に被害届を出し、既に絵を消したという。
ネットでは…
「本物なら夢あるな~」「便乗した落書きでしょ」「本物でも落書きだし犯罪」
一体、こうした絵は誰が描いたのか、芸術なのか落書きなのか。
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バンクシーに似た絵は別の場所にもあった。隅田川にかかる橋の柱に、パラシュートをつけたネズミのような絵が描かれている。
バンクシーはよくネズミを描くという。
バンクシーに詳しい専門家も初めて見たというこの絵。果たして本物の作品だろうか?
(バンクシー作品に詳しい)東京芸術大学・毛利嘉孝教授「(Q.本物の作品でしょうか?)たぶん本物じゃないと思いますね。(本物と比べて)ネズミらしくない、きちんとネズミがきれいじゃないと思う」
こうした絵は、一体誰が描いているのだろうか?
東京芸術大学・毛利嘉孝教授「バンクシーが好きな人がバンクシーになったつもりで描いた」
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誰でも簡単に描けるのか、バンクシーと同じステンシルという手法で絵を描くアーティストに教えてもらった。
イラストをプリントアウトした紙をカッターで切り抜き型紙をつくる。そして上からスプレー塗料をかける。
ステンシルアーティスト・守矢努さん「基本的に(バンクシーは)反社会的というか、犯罪にあたる行為になるので、絵を描いた後にすばやく逃げられるというメリットがステンシルにはあって」
簡単に描けるためまねもしやすいという。
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しかし、国内にも、本物のバンクシーが描いた可能性がある絵があった。
東京芸術大学・毛利嘉孝教授「かなりの確率でバンクシーが描いたと思うんですね」
小池都知事もツイッターに投稿したその絵は、都の防潮扉に描かれたネズミ。バンクシーの作品集で紹介されているため、本物の可能性が高いという。
小池都知事「東京への贈り物かも?」
都は混乱を避けるため扉を撤去、絵の鑑定も検討している。器物損壊にあたり、犯罪としながらも、消してしまえば批判はあっただろうとしている。
無断で描かれる絵について、街の人に聞いた。
「きれいなもの、見て不快にならないものはいいんじゃないかな」
「バンクシーだからいいというのはちょっと違うかなと」
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こうした絵にどう対応するのか。バンクシーの本拠地、イギリスで取材した。
記者「ここはすごいです。壁一面に絵が埋め尽くされています。日本ではちょっと考えられないような光景ですね」
ロンドン東部のこの地区では、街の至る所に絵や文字があった。
ガイド「これもバンクシーです」
中にはバンクシーの作品もあり、街に描かれたアートを鑑賞するツアーも行われていた。
イギリスでも所有者の許可無く絵を描くことは違法だが、どう対処するかは地区の行政が決めるため、消されずに残される場所もあるという。
街の人「人の家などに描くのはいけないけれど、絵がなければ何もないような壁に描かれれば魅力的だし、自分を表現するのはいいことだと思う」
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突如、街に出現する絵。芸術なのか、落書きなのか、議論は続きそうだ。