秋本治さんらタツノコプロ出身4人豪華競演
漫画家の秋本治さん、大人気RPG「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインなどを手がけた天野喜孝さんらが28日、都内で行われた展覧会「ラフ○絵」(○は無限大の記号)の記者会見に出席した。
秋本さん、天野さんのほか、メカニックデザイナーの大河原邦男さん、イラストレーターの高田明美さんによる競演。それぞれの代表作の「ラフ絵」や完成原画など約800点を展示する。
4人と同時期にアニメ制作会社タツノコプロ(旧・竜の子プロダクション)に在籍していた元日本動画協会理事長の布川ゆうじさんの呼びかけで企画が実現。2年前、5人での食事会を行ったことがきっかけで同展にこぎつけたといい、布川さんは「お一人お一人が活躍している方ですから、通常の作品展とは違ったことをやりたいと思いました」と思いを明かし、「今は漫画もアニメもどんどんデジタル化されていますが、この時代に4人が描いた肉筆の力強さを若い人に体感していただきたい」と見どころをアピールした。
漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載前に2年間タツノコプロに所属していた秋本さんは「とにかくアニメーションは楽しかった。漫画は一人で悶々と描いていたけど、個性的な人の中で、絵の技術がものすごく高いアニメーターとの仕事は勉強になりました」と当時を回想。
アニメ「機動戦士ガンダム」のメカデザインを手がけた大河原さんは「数日前に71歳になったんですけど、もうすぐみんないなくなっちゃうので面白いことをやりたいと思った。60歳を過ぎて、後ろを見て(仲間に)会いたいなと思う、そういうタイミングでお会いできたので楽しみです」と同展に期待を寄せた。
さらに「チェンジ・アンド・チャレンジ」と題してそれぞれ他のアーティストの代表作を描く企画も。天野さんは、今回初めて描いたという「機動戦士ガンダム」を披露し「スタッフの人に油絵の具の使い方を教えてもらいながら描きました。4人でやると責任も4等分されるので、気が楽です。楽しもうと思います」とはにかんだ。
展覧会は、2019年4月2日〜16日、東京・秋葉原の「3331 Arts Chiyoda112」で開催。