【気象解説】天気急変…なぜ連日続く? 東京の雷日数 平年の2倍に
不安定な天気が連日のように続いています。天気急変の理由や今後の見通しなどを木原実気象予報士に聞きました。
■東京の夏の雷日数 平年の2倍に
連日のように変わりやすい天気が続いています。東京の雷日数、いわゆる夕立の日数を調べてみると、夏の期間の3か月で、平年では6.9日のところ、2024年は8月19日時点で14日と、すでに平年の2倍を上回っています。
そして、20日も九州から東北の広い範囲で大気の不安定な状態が続いていて、現在も所々で雨雲が発生・発達しています。雷レーダーを見ると、局地的ではありますが、東北や関東、近畿などの所々で発達した雨雲がみられ、中には雷を伴っている所もあるようです。
積乱雲が発達している所では、急な雨だけでなく、落雷や、竜巻などの激しい突風など、危険な現象が発生するおそれがありますので、空模様の変化には十分な注意が必要です。
■なぜ大気の状態が不安定に?
この「暑さ」と「暖かく湿った空気」によるものなんです。天気図上には、列島の周辺には台風9号のほかに一見悪天のもとはないように見えるんですが、実は雨雲の燃料とも言える「暖湿流」が九州から関東の広いエリアに流れ込んできています。さらに、この暑さで地上付近の気温が上がることによって対流活動が活発になり、短時間で急激に雨雲が発達、あちらこちらで天気の急変が起きているのです。
■21日も広い範囲で雷雨注意
21日夕方の雷の発生確率を見ると、やはり九州や東海、そして関東では70%以上という高い確率が出ています。ただ、これはあくまで計算上のものなので、実際にはこれ以外の場所でも雨雲が発達する可能性があり、油断はできません。
■天気急変のサインとは
天気が急変する前兆とも言える「危険なサイン」をまとめました。
・「真っ黒い雲が近づいてきた」
・「雷の音が聞こえる」
・「急に冷たい風が吹いてきた」
これらの異変を感じたときは、今自分がいる場所に危険な積乱雲が迫っている証拠です。この積乱雲は雨だけでなく、落雷や突風などの非常に危険な現象をもたらすことがありますので、異変を感じたらすぐに頑丈な建物や車内に避難して安全を確保してください。
(8月20日午後4時55分ごろ放送『news every.』より)