にぎわう“平成”商戦 ゆかりの商品は…
「平成」が終わりを迎えようとしている中、「平成」にまつわる商戦がにぎわいをみせている。また、「平成」にゆかりのあった町では、ちょっと変わった商品が話題となっている。
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都内のデパ地下で開催されていたのは、平成を彩ったスイーツとグルメ、30種類ほどを集めたフェア。(今月30日まで)
取材中に売り切れるほどの人気ぶりだったのは、いちごのパンナコッタ。イタリア発祥の生クリームがたっぷり入ったデザートで、平成6年(1994年)に流行した。
買い物にきた親子にはパンナコッタにまつわる平成の思い出があった。
娘(20)「ちっちゃい時に、よく(母親が)作ってくれて、それ以来ずっとパンナコッタが好きなんです」
母親(50代)「娘がまだ生まれた頃だったので、子供のおやつにもすごく良かったので、自分でちょっと作ったりもしてました、昔」
母親が手作りしてくれた思い出のパンナコッタを懐かしんでいた。
70代の女性が購入したのは、ティラミス。
ティラミスを購入した客(70代)「(当時)ちょっと衝撃的だったわよね。おいしかったわね」
当時、デザートといえば、ショートケーキなどが一般的だったが、平成2年(1990年)に、ティラミスが世に出回ると、一躍大ブームに。平成の時代を生きた女性たちをとりこにしてきた。
ティラミスを購入した客(70代)「もう31年になっちゃったんですもんね、平成になったと思ったら。早いですよね。味わって食べます」
団子のように見えるパンがモチーフにしたブームというのが、平成11年(1999年)に、幅広い世代にヒットした曲、「だんご3兄弟」。
東武百貨店食品部・坂本彩乃サブマネージャー「平成時代が残り少なくて、ゴールデンウイークも10日間ございますので、(平成商戦)ピークになると思っておりまして、勝負の10日間かなと思っております」
平成の時代が終わりを告げるまで、残り1週間。今、平成を懐かしむ商戦が盛り上がりをみせている。
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都内のコンビニでは、「平成大ヒットシリーズ」と書かれたパネルの前に、復刻商品がずらりと並んでいる。
平成26年(2014年)に発売されたメロンパンの皮部分だけを焼きあげた商品。斬新なアイデアがSNSで話題となった。
復刻してから3週間で、約180万個を売りあげている。
他にも、販売が終了した懐かしのパンが再び味わえると、お客さんにも好評だという。
山崎製パンマーケティング部・保田高宏さん「しっかりと(商品を)打ち出してお届けしたいと考えています」
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岐阜県では、ちょっと変わった商品が話題になっていた。
缶を持ち、手で仰ぐ男性たち。
Q.何をしているんですか?
「これ缶詰を作っています」
一体、なんの缶詰作りなのだろうか?
Q.何も入っていないんですよね?
「実は詰まっているんですよ。平成の空気。平成最後の空気をたっぷり詰めています」
平成の幕開けで一躍脚光を浴びた岐阜県関市の「平成(へなり)地区」で作られていたのは、空気を詰め込んだ「平成(へいせい)の空気缶」。
値段は1個1080円。お客さんも、物珍しげに眺めている。
思わず購入した夫婦は…。
「ありがとうございます。これで長生きできる」
時代の終わりと共に平成商戦は、さらに盛り上がりをみせそうだ。