渡良瀬遊水地で“600匹”魚の大量死 河川事務所は「酸素量の値がかなり低い…」
栃木県などにまたがる遊水地で、数百匹の魚が死んでいるのが見つかりました。現場の河川事務所によると「水の中に溶けている酸素量の値がかなり低い」ということですが、一体何があったのか、現場を取材しました。
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現場は、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる渡良瀬遊水地です。21日午前に訪ねてみると、池に大量の死骸が浮いていて、その回収作業が行われていました。
河川事務所によると、死んでいたのは「ハクレン」という淡水魚だといいます。
回収作業員
「何匹ぐらいいるかって…600匹ぐらい」
――どれぐらいとりました?
回収作業員
「今? 100匹近く入ってる」
突然、起きた約600匹もの大量死。
国土交通省・利根川上流河川事務所 島田裕司副所長
「今回の水路では、初めて」
利根川などに生息するハクレンは音や振動に敏感で、1匹が飛び上がると連鎖してジャンプすることで知られています。13日も、大量死が起きた場所から少し離れた利根川で、その姿がとらえられていました。
ハクレンの原産地は中国で、水族館でも展示されています。
さいたま水族館飼育課 加藤麻希子さん
「水族館でも、たまに跳ねることはあります。10年以上は生きるんじゃないか」
そのハクレンの大量死が見つかったのは、19日です。何があったのか、調査を行っている河川事務所は――
国土交通省・利根川上流河川事務所 島田裕司副所長
「毒物は検出されていません。水の中に溶けている酸素の量なんですが、その値がかなり低い値が出ていました」
現場の酸素量を測ったデータでは、今月4日と大量死があった翌日の20日を比べると、酸素量が4分の1ほど減っていることがわかります。
国土交通省・利根川上流河川事務所 島田裕司副所長
「原因としては酸欠が考えられます」
なぜ酸欠となったのか、河川事務所は詳しい原因を調査しているといいます。
周辺では腐敗臭も出ていて、早めの回収を目指しているということです。