【木原さん解説】埼玉県で記録的豪雨なぜ? 平年7月雨量の2倍がわずか6時間で…
12日夕方から夜遅くにかけて、埼玉県では猛烈な雨が降り続き、記録的短時間大雨情報が立て続けに発表されました。なぜ埼玉県で局地的な豪雨が発生したのか、そしてこの後も不安定な天気は続くのか、木原実気象予報士が解説します。
12日夕方から夜遅くにかけて、埼玉県内では雨雲が急速に発達し、埼玉・鳩山では午後10時30分までの6時間で360.0ミリと、平年の7月に降る雨の2倍に相当する雨量が6時間のうちに降るという、記録的な豪雨になりました。
Q.なぜ、埼玉県で局地的に雨雲が発達したんでしょうか?
ーー12日午後6時の天気図では、日本海に低気圧があります。12日は、この低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、また、上空には寒気が南下してきていたため大気の状態が不安定となり、西日本から北日本の広い範囲で雷雲が発生していました。
さらに関東では、茨城方面から吹く東風と相模湾方面から吹く南風が埼玉付近で収束し、この状況が長時間にわたって続いたため、積乱雲が次々と発生・発達し同じような場所で猛烈な雨を降らせたと考えられます。
Q.この先も不安定な天気が続くんでしょうか?
ーー大気の不安定な状態は現在も継続していて、現在も局地的に雨が強まっている所があります。午後5時現在は、特に東北地方で危険度が高まっていて、宮城県と福島県では土砂災害警戒情報が発表されている所があります。
この後も、関東や東北では14日にかけて雨が残るほか、日本海から近づく低気圧の影響で、西日本でも雨の強まるところがありそうです。
大雨となっている東北地方のほか、記録的な大雨となった埼玉県でも地盤が緩み、河川の水位が上昇している所があります。
少しの雨でも災害が発生するおそれがありますので、引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫などに警戒が必要です。