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チケットの不正転売、今後の課題とは?

2019年6月5日 15:43
チケットの不正転売、今後の課題とは?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「チケットの不正転売はなくなる!?」。Peatix Japan取締役の藤田祐司氏に聞いた。

いわゆる「チケット不正転売禁止法」が6月14日から施行される。これにより「チケットを不正転売すること」「不正転売を目的としてチケットを譲り受けること」が禁止となり、販売側も購入側も罰則対象になる。違反した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方となる。

この法律施行について、ネット上では「100%防ぐことはできないのでは」「急に行けなくなったらどうすれば」「東京オリンピックではしっかり対応して欲しい」などの意見があった。


――まさに先日、東京オリンピックのチケット申し込みが終了しました。まずはフリップをお願いします。

『○○の公式再販』と書きました。いわゆる不正転売をなくすというためには、仕組みが必要で、ただ転売するのはダメというだけでは、完全になくすことは難しいのかなと思います。なくす代わりに、どうチケットを流通させることができるのかと――で、言い方としては「公式再販」と言われているんですが、「○○」と書いたのは、結構いろんな解釈があるので、その辺り、いろいろ考えていく必要があるんじゃないかと思います。

例えばなんですが、今回のオリンピックで、僕もたくさんチケットの申し込みをしたんですが、今回のオリンピックでいうと、チケットを買ったけど行けなかった場合は、「定価で売ることはOK」というのは公式に行われていて、受け皿としては公式の仕組みとしてあると。すでに日本でも公式サイトの仕組みというのが導入されている事例はたくさんあって、定価であれば譲っていいですという仕組みはあるんです。

ただ個人的には、仕組みは柔軟であるべきと思っていて、例えば海外を見ると、公式再販の仕組みは結構前から整っていて、そのチケット売りたいという場合、主催者側も公式に認めています。ただ、日本の場合は「定価」というのがひとつの基準になっているのですが、価格設定も主催者がある程度柔軟に決められると。だから低い値段で売ってもいいし、高い値段で売ってもいいみたいな形で行われていると。そうすることで、チケットの価格というのは、マーケットが決めることだと思うので、例えば人気がないイベントであれば、定価よりも安く売らないと席が埋まらずに困るみたいなことがあるので、柔軟にやっていくことが、すごく大事なんじゃないかとは思っています。


――今回のオリンピックに関しては、まだ柔軟な部分に追いついていないのかもしれませんが、今後そういった柔軟さというのは。

今回のオリンピックの公式の再販は、より多くの人が触れる最大のチャンスだと思うので、いろんな議論も行われていくと思います。ここがスタート地点で、日本は変わっていくんじゃないかと思います。


――こういう転売防止について、「Peatix」では何かされているんでしょうか。

「Peatix」でも公式再販の仕組みは導入していまして、私たちの場合は主催者がどういう価格で売りたいかというのを自由に決められるようになっているので、定価で売りたければ定価の再販を許すという形になりますし、価格が低くてもいい、あるいは2倍までの値段であれば売ってもOKというのは主催者側が自由に決められるような仕組みを導入しています。


――いちばんの問題は、せっかく席があるのに誰もいない状況がすごくもったいないということですね。

そうですね。だから誰にとっての仕組みなのかというのを考える必要があるかなと思います。


■藤田祐司氏プロフィル
簡単にイベント・コミュニティー運営ができるサービス「Peatix」を提供しているPeatix Japanの創業メンバー。「Peatix」は会員数350万人以上、常時6500件を超えるイベントを掲載。日本をはじめ、アメリカ、シンガポール、マレーシアなど27か国で多くのユーザーに支持されている。藤田氏は2009年にPeatix社の前身Orinocoを設立。2011年に「Peatix」のサービスの提供を開始した。日々、イベント・コミュニティーと人々との出会いの場をサポートしている。


【the SOCIAL opinionsより】

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