逮捕の男、事件後に容姿変えた可能性も 長野駅前3人殺傷事件
JR長野駅前で3人が殺傷された事件で、逮捕された46歳の男が27日に送検されました。男は事件後に、あごひげをそって髪の毛を切り、容姿を変えた可能性があることが新たにわかりました。
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27日朝、無職の矢口雄資容疑者(46)が殺人未遂の疑いで送検されました。
22日にJR長野駅前で男女3人が男に刃物で刺され、丸山浩由さん(49)が亡くなった事件。矢口容疑者は、女性の背中を刃物で突き刺すなどして殺害しようとした疑いで逮捕されていて、被害者3人とは面識はなかったとみられています。
発生から5日目の26日に事件は急展開を迎えました。
矢口容疑者は事件後、行方をくらませていましたが、事件から2日後には捜査線上に浮上。そして26日に捜査員が自宅に突入し、逮捕されました。
警察が公開した画像と比べると、逮捕時はメガネもかけずあごひげのようなものも確認できません。この見た目について、警察は矢口容疑者が事件後にあごひげをそり、髪の毛を切って容姿を変えた可能性があるとみています。
27日夜、矢口容疑者と同じマンションに住む人に話を聞きました。
同じマンションの住人
「会話はないですが、挨拶程度は『こんばんは』とか2、3回ありました」
――警察が発表した写真みてピンときた?
同じマンションの住人
「全くこなかった。(普段は)タオル巻いててみたいな感じではなくて、連行される時の雰囲気。無口なおとなしい感じの人、ちょっと気の弱そうな」
――普段トラブルは?
同じマンションの住人
「全くないです」
調べで事件について聞かれると…
矢口容疑者
「わからない」
雑談には応じるものの、認否や動機については黙秘を続けているということです。
どのような人物なのでしょうか?
近所の住民
「よく自転車に乗って、上下おそろいの作業着を着て、そこの自動販売機でコーヒー買って。必ず買うんです、あそこで。それで覚えている。悪さするような顔じゃなかった、まじめそうで」
同級生によると、高校では一時期、サッカー部に入部。目立つタイプではなかったということです。
矢口容疑者は、7畳のワンルームで1人暮らしをしていたということです。事件当日の夕方ごろに自宅から徒歩で駅に向かい、事件後は、別の道を通って帰宅していたとみられることが新たにわかりました。
これまで、事件後に線路沿いを南西方向に逃げたことがわかっていましたが、その後に歩道橋を渡って線路を越え、東口方面へ向かったとみられることが明らかになりました。駅から東側に3キロほど離れた場所には矢口容疑者の自宅があり、徒歩でその日のうちに帰宅したということです。
警察によりますと、矢口容疑者は少なくとも事件2日後の夕方から逮捕されるまで、外出していなかったといいます。
自宅からは周辺の防犯カメラに映っていたものと特徴が似たメガネやジャンパー・ズボンが押収され、そのほか、包丁2本や白い手袋、タオルなども押収。警察は包丁について、凶器の可能性もあるとみて調べています。
逮捕から一夜明け、現場には丸山さんの遺族のメッセージが張られていました。
「献花をして下さる皆様へ この度は、故丸山浩由のために献花・供物等を頂き、大変ありがとうございます。故人に代わり、心より感謝申し上げます。皆様からの大きな温かなお気持ちを頂き、本人も安らかに旅立つことができることと思います。また私たち残された家族も、大勢の方の励ましやお力添えを頂き、故人の分まで精一杯生きていく大きな勇気を頂きました。本当にありがとうございました。そして、良きご縁に出逢い、短くも一瞬一瞬を大切に生きた故人のことを、どこかでふと思い出していただければ幸いです」
(1月27日放送『news zero』より)