エコな“バイオマスプラスチック” 課題も

「バイオマスプラスチック」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ゴミ袋やスプーンなどの食器、カスタネットのような楽器まで、今、さまざまな物がバイオマスプラスチックで作られている。見た目はこれまでのプラスチックと変わらない。
バイオマスプラスチックとは、石油などの「化石燃料」だけでなく、サトウキビなど「植物」も原料にして作られたプラスチックのことだ。従来のプラスチックとは違い、燃やした時に出る二酸化炭素は植物によって吸収され、また原料として使われるため、結果として二酸化炭素の排出を抑制すると言われている。
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そんなバイオマスプラスチック、今、さまざまな企業が導入に名乗りをあげている。
コンビニ大手セブン-イレブンでは、今月中におにぎり全ての包装を切り替えるとのこと。
日清食品は、カップヌードルの容器を、年内には切り替え始めるそうだ。
餃子の王将では、今月から持ち帰り用のスプーンを、江崎グリコは自動販売機のアイスのスティックをバイオマスプラスチックに切り替えているという。
しかし、バイオマスプラスチックを製造するメーカーを訪ねると、「課題」も見えてきた。
三菱ケミカル株式会社・機能性樹脂事業部 片岡誠次長「まだ市場が小さいので、小さい市場の中で作っていることで、コストアップになっているのが一番課題だと思います」
通常のプラスチックより価格が高くなってしまうため、広く普及しづらいのだという。
東京・新宿の京王百貨店では、今月からレジ袋をバイオマスプラスチックの物に切り替えたが、レジ袋の仕入れ値が、3割ほど増加したという。
京王百貨店・廉澤章宏さん「いまのところ当社の負担といいますか、必要なこととして切り替えると。お客さまの負担はございません」
今回取材した6社のうち3社は、バイオマスプラスチックへの切り替えによる企業の負担はあるものの、現段階で消費者への負担は変わらないと回答した。
使い捨てプラスチック削減に向け世界的機運が高まる中、普及していくのだろうか?