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諫早湾干拓 最高裁、審理やり直し命じる

2019年9月13日 22:40
諫早湾干拓 最高裁、審理やり直し命じる

長崎県にある諫早湾の干拓事業をめぐり、水門を開けるよう命じた判決を国が事実上無効にするよう求めた裁判で、最高裁判所は13日、国の主張を認めた判決を取り消し、審理のやり直しを命じた。

長崎県の諫早湾では、1997年に水門を閉め、干拓して農地を作る事業が行われている。この事業をめぐっては、9年前に国に開門を命じた判決が確定した一方で、今年6月には開門を認めない判決が確定するなど、裁判所によって司法判断がねじれる事態となっている。

13日の判決で最高裁は、2審が「漁業権が消滅しているため、漁業者側の開門を求める権利も消滅した」という理由で国の主張を認めた点について、開門を求める権利は失われていないと判断した。

その一方で、長期間が経過したことを踏まえ、事情の変更により判決に基づいて開門を強制することが権利の乱用となるかどうかなどについて、さらに審理を尽くすべきだとして、福岡高裁に審理を差し戻した。

今後、法廷闘争はさらに長期化することになるが、最高裁が「権利の乱用」などについて審理を尽くすよう言及したことから、開門しない方向での解決が示唆された格好。