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「トトロの森」が危機 樹木の葉が変色し枯れる“ナラ枯れ”被害拡大で…

2022年8月23日 21:06
「トトロの森」が危機 樹木の葉が変色し枯れる“ナラ枯れ”被害拡大で…

映画「となりのトトロ」の舞台とされている森がピンチを迎えています。豊かな森で今、樹木の葉が変色し、枯れてしまう“ナラ枯れ”の被害が広がっています。

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都心から車で1時間半ほどの埼玉県と東京都にまたがる狭山丘陵は、不朽の名作、「となりのトトロ」の舞台のひとつとされています。映画を制作したスタジオジブリも、この森を「トトロの森」と公認しています。

「となりのトトロ」ファン
「なんかサツキとメイがいそう。トトロの世界に来たような感じがします」

「となりのトトロ」ファン
「緑が多くて、向こうのトトロの森もそうだったけど、ジブリ感が出ていて」

映画の世界観を感じさせる自然豊かな風景は、多くの人に愛されていますが、今、この「トトロの森」が、大きなピンチを迎えています。

森の周辺を上空から見てみると、広い範囲にわたり木々が色づく様子が見られました。一見、季節外れの紅葉のようにも見えますが、森を歩いてみると――

森を管理する「トトロのふるさと基金」 児嶋翼さん
「夏なのに茶色く縮れて、枯れてしまっているのがナラ枯れの特徴ですね」

ナラなどの樹木の葉が変色し、枯れてしまう“ナラ枯れ”という病気です。

「トトロの森」では、2020年に61本が被害を受け、去年は4倍以上の273本に増加。今年は既に343本が被害を受けているというのです。その原因は――

森を管理する「トトロのふるさと基金」 児嶋翼さん
「『カシノナガキクイムシ』という虫になります。400匹、500匹とれることもあります」

体長5ミリほどの昆虫が木の中に入り込み、「ナラ菌」というカビを持ち込むことで病気が発生します。倒木の危険性もあるため、森を管理する「トトロのふるさと基金」は伐採などの対策に追われています。

森が失われていく状況に、映画のファンからは不安の声が聞かれました。

「となりのトトロ」ファン
「トトロ泣いちゃいます。泣いちゃいます、森がないと。危機感を感じます」

さらに、この“ナラ枯れ”が招く厄介な存在がありました。

森を管理する「トトロのふるさと基金」 児嶋翼さん
「『カエンタケ』という猛毒のキノコになります。危険なキノコが、ナラ枯れによって出てくることもあります」

猛毒のキノコ「カエンタケ」は、枯れた木のそばに発生しやすくなるといいます。少量でも食べると死に至る危険があり、“ナラ枯れ”の範囲が広がれば、「カエンタケ」も増えるおそれがあるのです。

「トトロのふるさと基金」は、ボランティアを募り“ナラ枯れ”への対策を強化していますが――

森を管理する「トトロのふるさと基金」 児嶋翼さん
「伐採費用が何十万とかかる可能性があります。森を将来に向かって、子どもたちに向かって残して行くのも我々の使命なので、トトロの森を知ってもらって、協力してもらえたらうれしい」

「となりのトトロ」の世界観を残す豊かな森をこれ以上失わないため、支援を求めています。

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