進化する婚活「AIマッチング」――利用者は? 「AI通した方が見える」「趣味とAI的相性見て」 22県が導入…広がる理由
AIを活用したマッチングシステムによる「AI婚活」が広がりを見せています。全国22県で導入され、国も支援しています。112の質問に答えることで価値観が診断でき、AIが相性の良い相手を探し出します。AI婚活を利用する女性らに話を聞きました。
■AIマッチングを使う婚活とは?
埼玉・さいたま市にある「SAITAMA出会いサポートセンター」に、埼玉県に住む婚活中の女性(29)の姿がありました。
女性
「(新型)コロナ(ウイルス)禍に入ってから、街コンが急にキャンセルになったりするんですよね」「(マッチングアプリは)2回目お会いすることになってたんですけど、急にキャンセルされて。トラウマになって、マッチングアプリはもうやめようって思って」
婚活を続けて4年の女性。7月から始めたのが、埼玉県などが運営する婚活サービス「恋たま」です。特徴の1つが、AIマッチング。価値観を診断する112の質問に答えると、相性の良い相手が導き出されます。
女性には、30代の会社員が紹介されました。「この方いいのかな…。ちょっと悩んでます。35(歳)までには結婚したいかなと思いますけど…。いい方がいれば」と女性は言います。
■相手に求める「価値観」が一目で
この日「恋たま」に登録した女性(28歳)には、診断の結果「相手に求めている価値観」として「自分の感情をコントロールすること」「自分の気持ちに正直であること」「困っている人を助ける人」と出ました。
女性は「AIってどんどん進化してきているので、いっそのこと機械を通した方が、案外自分が見ないようなところが見えたりするのかなって」と話しました。
「恋たま」の登録料は2年間で税込み1万6000円です。
■結婚した夫「AIがきっかけに」
実際にAIマッチングで出会い、結婚したカップルもいます。去年9月に出会い、今年2月に結婚した佐藤さん夫婦を訪ねました。
妻
「これ(価値観診断)に答えないとちゃんとした人に出会えないかなと思って、真剣に答えました。(写真などを見て)『この方もマッチングするんだな』と」
夫
「でも実際会って話してみての方が大きいので、そのきっかけをつくってくれるのがAIかなという感じはしますね」
「恋たま」の登録者は6月末時点の累計で約1万3000人。結婚した240組のうち、約4割がAIによる紹介だといいます。
■AIマッチングで…「若い世代」支援
2021年度の内閣府「地方自治体における少子化対策の取組状況に関する調査」によると、AIを活用したマッチングシステムは22の県で取り入れられていて、国も支援に力を入れています。
「恋たま事務局」を担当する埼玉県の島﨑高志さんは「(開設当時)国の統計によると、20代の方でも9割の方が結婚したいという思いを持っている一方で、結婚していない理由として、いい相手に巡り合わないと(いうのがある)」と言います。
AIマッチングを取り入れることで、結婚を希望する若い世代の支援に、よりつながると考えたといいます。
婚活中の女性(29)
「趣味が合う方とAI的に(相性が)いいとされている方、どっちも見ながら進めていければと思います」
(8月5日『news zero』より)