東京電力などが電気料金“値上げ” 今後も“値上がり”続く見通しも…
28日、東京電力などが電気料金の値上げを発表しました。燃料価格の世界的な高騰が要因で、安いプランを打ち出す会社にも値上げの波が押し寄せています。
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神奈川県にある箱根園水族館で、夏休みの親子連れに人気となっていたのはペンギンの散歩やアザラシのショーです。
しかし、その裏で――
箱根園水族館 飼育担当 大山拓哉飼育員
「日中、2台ともこのように動かしているんですけれども、半分消して、1台運転にしています」
実は、水槽の汚れた水を排出するポンプをあえて1台止めているといいます。その理由は――
箱根園水族館 飼育担当 大山拓哉飼育員
「電気代の高騰が、今問題になっていまして。水族館はたくさんのポンプだったり、水槽を管理するために電気をたくさん使うので、そういうところで結構困っています」
問題となっていたのが、電気料金の高騰です。
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28日、大手電力各社が9月の電気料金を発表しました。東京電力の家庭用電気料金は、平均的な電気使用量の家庭で、2021年9月と比べて2000円以上高い9126円となります。
基本となる電力プランでは、今回で制度上、値上げできる上限に達しました。値上げの要因は、発電に必要な燃料価格の世界的な高騰です。ある大手電力関係者は「電気を作って売れば売るほど、赤字が膨らんでいる」と話し、業界では上限価格の引き上げを検討する動きもあるといいます。
30代女性
「コロナで外にも行けないし、家で過ごすのも快適に過ごしたいのに、電力を気にしないといけない」
50代女性
「(電気代は)高くはなっているけども、体調の方が大事なので、やっぱり渋々ながら使っています」
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大手電力会社が値上げする中、頼りたいのが安いプランを打ち出す「新電力」と呼ばれる新しい電力会社です。しかし、新電力にも値上げの波が及んでいます。
船の部品などを作っている埼玉県の鋳物工場を取材しました。
石川金属機工 石川義明社長
「これが電気炉ですね。電気を使って、金属を溶かすんです」
3年前、この鋳物工場は東京電力からより割安な新電力の会社に契約を変更しましたが、昨年から電気代が値上げとなりました。
石川金属機工 石川義明社長
「だいたい(月に)200万くらいだったのが、360万か、もうちょっと行くくらいですね」
この工場は、電気代だけで年間2000万円以上値上がりする見込みだといいます。
石川金属機工 石川義明社長
「このままずっと続けば、最終的には辞めざるを得ないですよね」
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こうした中、事業者や家庭向けにより安い電力プランなどを紹介する「エネチェンジ」には、問い合わせが急増しています。今年に入り、昨年の同じ月と比べ、問い合わせが4倍に増えた月もあります。
エネチェンジ 曽我野達也取締役
「こちら電気代の推移になっていまして、(ある新電力が)去年7月が7000円くらいのものが、値上げ等々で今9000円くらいに上がってしまっている」
また、経営が悪化した新電力の事業撤退により、契約が打ち切られ、急ぎ他の電力プランを探す相談も増えてきているといいます。
エネチェンジ 曽我野達也取締役
「電気料金というのは、まだ値上がりが続くのかなとみています。ご自身が契約しているプランがどういったものなのか。自ら探していくような姿勢が大事かな」
家庭でも、無理のない節電や電力プランの見直しをしてみてはいかがでしょうか?