猛暑続く中“電力ひっ迫”に電気代値上げも… 東京電力社員に聞く節電の“秘策”
経済産業省は、東京電力管内の「電力需給ひっ迫注意報」を、30日午後6時をもって解除すると発表しました。厳しい暑さが続き、今後も電力不足が懸念される中、東京電力の社員に電気代の値上げを乗り切る秘策を聞きました。
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30日も電力のひっ迫は続きました。そんな中、トラブルが起こりました。
経済産業省・電力基盤整備課 小川要課長
「昨晩(29日夜)以降、今朝(30日朝)にかけて、(勿来火力)発電所のトラブル。無理のない範囲で節電をお願いできれば」
福島県いわき市にある勿来火力発電所の9号機が、設備トラブルにより9時間半にわたって運転を停止しました。30日午後6時現在、半分程度の出力で運転を再開させています。
この火力発電所は、「電力需給ひっ迫注意報」が続いた東京電力管内にも、電力を供給しています。影響を及ぼす可能性があると心配されています。
また、老朽化のため停止していた千葉県の姉崎火力発電所ですが、30日、電力ひっ迫への対応で、運転を再開しました。電力需給の改善が期待されています。
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特に電力ひっ迫が予測されていた午後4時半前、東京・品川区にあるコンビニでは、営業中の店舗の商品棚の照明が消えていました。
ローソンでは、「電力需給ひっ迫注意報」が出ていることを受け、店内の一部を消灯しています。さらに――
ローソン・広報部 持丸憲さん
「継続している取り組みですが、(飲み物補充の)冷蔵庫の開け閉めの回数をできるだけ少なく」
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節電は、東京・江戸川区にある保育園でも行われていました。
輝きベビー保育園篠崎 園長
「トイレを使っていないタイミング。中に園児がいないことを確認して電気を消すぐらい」
冷風機も使わない時間帯は、コンセントを抜いて節電していました。エアコンも――
園長
「設定は28度にしています」
少しでも節電を…ただ、猛暑日続きのため、室内のエアコンはほぼつけっぱなしだといいます。
園長
「約100人が、この中で働いたり、生活しているので、その全員の健康も大事にしていきたい」
この夏、節電をしつつも、重要となるのが熱中症対策です。
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街の人に困ってることを聞いてみました。
街の人
「電気代、高いなって」
電気代はどんどん値上がりしています。
街の人
「(今まで)1万円を切っているのが普通だったのが、今まで通り使っても1万円超える」
電気料金は、8月にまた値上げします。東京電力では、平均的な使用量の家庭で、8月の電気代が9000円を超えることになります(去年8月は6960円)。これは、比較できる過去6年間で最も高い水準です。
また9月の料金で、制度上すでに値上げできる上限額に達する可能性があるといいます。
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東京電力の社員が、電気代の値上げを乗り切る秘策を教えてくれました。
東京電力・お客様営業部 節電アドバイザー・中村剛副部長
「(冷蔵庫の)横と上は空けなければいけないんですよ。熱が上に逃げるのを、上にものを置くとジャマしてしまうので、上は空けておいてください」
冷蔵庫の上と横が、何かとぴったりとくっついていると、冷却機能が落ちるため、余計に電力を消費するといいます。接する面を、減らし、5ミリほど隙間を空けるといいそうです。
中村副部長
「(横だけくっついた場合より)年間で1192円、電気代の差が出ます」
また、中村副部長によれば、エアコンの温度も1℃あげるだけで「28℃にしますと、夏の間だけトータルで、約800円節約することができます」とのことです。
政府は、午後6時をもって、東京電力管内に発令している「電力需給ひっ迫注意報」を解除するということです。