生き物が好き…マニアの“愛と知識”を未来へ 研究も注目“ウミウシ”の可能性とは…【バンキシャ!】
サメ、ナマズ、ウミウシなど水の生き物に親しむ愛好家ならではの、飼育の経験と知識、愛にあふれる発表に注目です。そこには世の中をよくするためのヒントが…?さまざまな“生き物愛”に、桝太一キャスターが「ベタバリ!」しました。【バンキシャ!】
***
桝キャスターが訪れたのは、都内で行われていたあるイベント。
桝
「夢と魔法の王国のような感覚です!すごくないですか!」
興奮気味の桝キャスター。集まっているのは、水の生き物の愛好家たち。
発表者A
「私の好きな生き物はサメです」
サメが好きだというこちらの会社員。自宅に1.5トンの水槽を設置。9匹ものサメと一緒に暮らしているという。
発表者A
「サメってあくびするの、知ってました?可愛いあくびをします」
実は今、多くの種類のサメが個体数を減らしているという。そこで提案したのが…
発表者A
「サメのプロ集団を作ってサメをめっちゃ増やしましょう」
マニアたちが知恵を持ち寄り、サメの繁殖をすることだという。
このイベントは愛好家が自分の飼育経験をもとに社会に役立つアイデアをプレゼンするもの。
発表者B
「私の特に好きな生き物がこちらです、オトシンクルス。南米のアマゾン川などに住む小型ナマズ」
オトシンクルスというアマゾン川などに生息する小型のナマズについて、実は困ったことが…
発表者B
「種類がとにかくわからない、それゆえに適切な水質がわからなくて、うまく飼えない」
このナマズは種類が見分けにくいため飼育がしづらいという。そこで…
発表者B
「オトシンのためにAI作りました。説明しますと、カメラで撮った写真をAIが種類と雄雌を判別するというシステムになっています」
スマホで撮影すると、種類とオスかメスかがわかるAIカメラを作ったという。
愛好家たちの「こだわり」と「気づき」。そこには世の中をよくするためのヒントがあった!
桝
「これすごいですね!」
マニアたちの“深~い世界”にベタバリ!
このイベントの仕掛け人は自らも“水の生き物マニア”の高倉葉太さん。海の環境について研究するベンチャー企業の代表だ。
株式会社イノカ 高倉葉太 代表
「世の中には陽の光が当たらない、いろんな生き物がいる。それらの可能性を僕らがしっかりと考えていく必要がある」
高倉さんが愛してやまないのがサンゴ。この水槽は、彼の“サンゴ愛”の結晶だという。
高倉代表
「サンゴ礁の海を水槽の中に再現するということをやっております」
水質・水温、光や波。それらをAIで調整し沖縄の海を再現しているという。困難とされているサンゴの人工産卵にも成功。本物の海に行かなくても(水槽で)海に関する実験ができる注目の技術だ。
高倉さんがイベントを開催する目的は、自分と同じような“マニア”ならではのこだわりと技術を発掘すること。
高倉代表
「素晴らしい技術が眠っていると思うので、それを企業と繋いでいくということを目標にしています」
***
そのイベントで、桝キャスターが特に気になったのは…
桝
「ウミウシですかね。本業がある横で、趣味であれだけやっている、その情熱と愛情に感銘を受けました」
ウミウシは「海の宝石」と言われる軟体動物。巻き貝の仲間で、日本にも広く生息している。
こちらが、そのウミウシのプレゼン――
発表者(ゆすら さん)
「私が本当に望んでいるのは、自宅で誰でもウミウシを飼育できるようになる未来です」
その「ウミウシ愛」とは?
プレゼンした(ウミウシマニア)ゆすらさんの自宅を訪ねた。部屋の中に入ると…
桝
「あ〜あそこですね!僕勝手なイメージで、入った瞬間、部屋中が水槽だらけかと思ったんですけど」
その水槽は、リビングの一角にあった。
桝
「で、ウミウシ、今ここにいるんですね。いました、いました~」
桝
「ここにもいますね」
中には10匹のウミウシが飼われている。水族館でウミウシの美しさに一目惚れしたのが飼育を始めるきっかけだったという。
ゆすらさん
「美しい生き物がいるんだなというところからで、調べたら、飼えない、難しい、エサがわからない。そのミステリアスなところが魅力的」
飼い始めて1年経った頃、ある意外なことを目撃した。
ゆすらさん
「体がちぎれちゃったウミウシがいたんですけど、頭が動いていたのでほっといたら再生してきた」
頭部だけになったウミウシ。心臓も胴体もない状態からおよそ2週間で元の体に戻ったのだ。この経験をもとに、こんなプレゼンをした。
ゆすらさん
「この再生能力を解き明かすことができれば、人の再生医療にも応用させることができるのではないかと考えています」
***
この、ウミウシの能力。実はいま、大学でも研究が進められている。
桝
「社会で役に立つ、貢献できるかもしれないという可能性は?」
奈良女子大学 生態学分野 遊佐 陽一 教授
「(再生の)メカニズムを解明してそこで働く遺伝子を特定して、ひいては再生医療に貢献できる可能性はあると考えています」
未知の可能性を秘めるウミウシ。しかし情報は少なく、当初、飼育は手探りだったという。
桝
「そのための調べ物とか試行錯誤で大変でしょう…」
ゆすら さん
「大変です。エサが全くわからなくて。あ、コレを食べてるのを見つけた!とかなるとすごくうれしくなって」
そのエサは、月に2回、自分で海に採りに行くという。自宅から車で約2時間。ウミウシをこよなく愛する、ゆすらさん。休日が完全につぶれてしまうが、ウミウシのためなら苦ではない。
同行させてもらって、海好きの桝もお手伝い。すると――
桝
「とれた!」
ゆすら さん
「採れましたね!よかったです」
エサは岩に張り付いているカイメン。ウミウシによって、食べるカイメンも違うため何種類も集めなくてはならない。
桝
「いっぱい採った」
ゆすら さん
「あ、あ、桝さん!桝さん!」
桝
「ちょっと待って、何?あ!いた!」
ゆすら さん
「いた!」
岩場に潜んでいたウミウシを発見!
ゆすら さん
「美しいですよね」
桝
「結構好きなウミウシですか?」
ゆすら さん
「大好きです!持って帰りたい」
――好きという純粋な思いから、日々、生き物と向き合い観察している愛好家たち。
桝
「愛好家が持っている知識や経験が、繋げれば研究や社会に役に立つことはあるとお考えですか?」
奈良女子大学 生態学分野 遊佐 陽一 教授
「そういう市民の方の力が非常に大きいので、市民の方が研究者と一緒に科学を進めるというのが良いのかなと思います」
*4月28日放送『真相報道バンキシャ!』より
***
桝キャスターが訪れたのは、都内で行われていたあるイベント。
桝
「夢と魔法の王国のような感覚です!すごくないですか!」
興奮気味の桝キャスター。集まっているのは、水の生き物の愛好家たち。
発表者A
「私の好きな生き物はサメです」
サメが好きだというこちらの会社員。自宅に1.5トンの水槽を設置。9匹ものサメと一緒に暮らしているという。
発表者A
「サメってあくびするの、知ってました?可愛いあくびをします」
実は今、多くの種類のサメが個体数を減らしているという。そこで提案したのが…
発表者A
「サメのプロ集団を作ってサメをめっちゃ増やしましょう」
マニアたちが知恵を持ち寄り、サメの繁殖をすることだという。
このイベントは愛好家が自分の飼育経験をもとに社会に役立つアイデアをプレゼンするもの。
発表者B
「私の特に好きな生き物がこちらです、オトシンクルス。南米のアマゾン川などに住む小型ナマズ」
オトシンクルスというアマゾン川などに生息する小型のナマズについて、実は困ったことが…
発表者B
「種類がとにかくわからない、それゆえに適切な水質がわからなくて、うまく飼えない」
このナマズは種類が見分けにくいため飼育がしづらいという。そこで…
発表者B
「オトシンのためにAI作りました。説明しますと、カメラで撮った写真をAIが種類と雄雌を判別するというシステムになっています」
スマホで撮影すると、種類とオスかメスかがわかるAIカメラを作ったという。
愛好家たちの「こだわり」と「気づき」。そこには世の中をよくするためのヒントがあった!
桝
「これすごいですね!」
マニアたちの“深~い世界”にベタバリ!
このイベントの仕掛け人は自らも“水の生き物マニア”の高倉葉太さん。海の環境について研究するベンチャー企業の代表だ。
株式会社イノカ 高倉葉太 代表
「世の中には陽の光が当たらない、いろんな生き物がいる。それらの可能性を僕らがしっかりと考えていく必要がある」
高倉さんが愛してやまないのがサンゴ。この水槽は、彼の“サンゴ愛”の結晶だという。
高倉代表
「サンゴ礁の海を水槽の中に再現するということをやっております」
水質・水温、光や波。それらをAIで調整し沖縄の海を再現しているという。困難とされているサンゴの人工産卵にも成功。本物の海に行かなくても(水槽で)海に関する実験ができる注目の技術だ。
高倉さんがイベントを開催する目的は、自分と同じような“マニア”ならではのこだわりと技術を発掘すること。
高倉代表
「素晴らしい技術が眠っていると思うので、それを企業と繋いでいくということを目標にしています」
***
そのイベントで、桝キャスターが特に気になったのは…
桝
「ウミウシですかね。本業がある横で、趣味であれだけやっている、その情熱と愛情に感銘を受けました」
ウミウシは「海の宝石」と言われる軟体動物。巻き貝の仲間で、日本にも広く生息している。
こちらが、そのウミウシのプレゼン――
発表者(ゆすら さん)
「私が本当に望んでいるのは、自宅で誰でもウミウシを飼育できるようになる未来です」
その「ウミウシ愛」とは?
プレゼンした(ウミウシマニア)ゆすらさんの自宅を訪ねた。部屋の中に入ると…
桝
「あ〜あそこですね!僕勝手なイメージで、入った瞬間、部屋中が水槽だらけかと思ったんですけど」
その水槽は、リビングの一角にあった。
桝
「で、ウミウシ、今ここにいるんですね。いました、いました~」
桝
「ここにもいますね」
中には10匹のウミウシが飼われている。水族館でウミウシの美しさに一目惚れしたのが飼育を始めるきっかけだったという。
ゆすらさん
「美しい生き物がいるんだなというところからで、調べたら、飼えない、難しい、エサがわからない。そのミステリアスなところが魅力的」
飼い始めて1年経った頃、ある意外なことを目撃した。
ゆすらさん
「体がちぎれちゃったウミウシがいたんですけど、頭が動いていたのでほっといたら再生してきた」
頭部だけになったウミウシ。心臓も胴体もない状態からおよそ2週間で元の体に戻ったのだ。この経験をもとに、こんなプレゼンをした。
ゆすらさん
「この再生能力を解き明かすことができれば、人の再生医療にも応用させることができるのではないかと考えています」
***
この、ウミウシの能力。実はいま、大学でも研究が進められている。
桝
「社会で役に立つ、貢献できるかもしれないという可能性は?」
奈良女子大学 生態学分野 遊佐 陽一 教授
「(再生の)メカニズムを解明してそこで働く遺伝子を特定して、ひいては再生医療に貢献できる可能性はあると考えています」
未知の可能性を秘めるウミウシ。しかし情報は少なく、当初、飼育は手探りだったという。
桝
「そのための調べ物とか試行錯誤で大変でしょう…」
ゆすら さん
「大変です。エサが全くわからなくて。あ、コレを食べてるのを見つけた!とかなるとすごくうれしくなって」
そのエサは、月に2回、自分で海に採りに行くという。自宅から車で約2時間。ウミウシをこよなく愛する、ゆすらさん。休日が完全につぶれてしまうが、ウミウシのためなら苦ではない。
同行させてもらって、海好きの桝もお手伝い。すると――
桝
「とれた!」
ゆすら さん
「採れましたね!よかったです」
エサは岩に張り付いているカイメン。ウミウシによって、食べるカイメンも違うため何種類も集めなくてはならない。
桝
「いっぱい採った」
ゆすら さん
「あ、あ、桝さん!桝さん!」
桝
「ちょっと待って、何?あ!いた!」
ゆすら さん
「いた!」
岩場に潜んでいたウミウシを発見!
ゆすら さん
「美しいですよね」
桝
「結構好きなウミウシですか?」
ゆすら さん
「大好きです!持って帰りたい」
――好きという純粋な思いから、日々、生き物と向き合い観察している愛好家たち。
桝
「愛好家が持っている知識や経験が、繋げれば研究や社会に役に立つことはあるとお考えですか?」
奈良女子大学 生態学分野 遊佐 陽一 教授
「そういう市民の方の力が非常に大きいので、市民の方が研究者と一緒に科学を進めるというのが良いのかなと思います」
*4月28日放送『真相報道バンキシャ!』より