帯状疱疹最前線!若い世代にも急増…納得の理由に対策や課題も「いまどき帯状疱疹」が全てわかる
若い世代で「帯状疱疹」にかかる人がいま増えています。
実際に痛みに悩む人や医療の現場で話を聞くと、そのワケも見えてきました。
80歳までの3人に1人がかかるという、いわば「国民病」帯状疱疹の最新事情に迫ります。
(平川明子さん)「ピリピリっていう感じが背中にきたんですよね。変だな、なんだろうと」
(20代男性)「けっこう顔とかいろんなところに出ていて、外出たくないみたいな感じでしたね」
80歳までの3人に1人はかかるー
激しい痛みが患者を悩ませる「帯状疱疹」。
いま、この皮膚病に異変が!「帯状疱疹最前線」に迫ります!
札幌市の平川明子さんのスマートフォンには、2023年に患った苦しみの跡がはっきりと…
(平川明子さん)「あ、これだ。これですね」
背中にできた赤い発疹「帯状疱疹」です。
発疹も、そして激しい痛みも。
何の前触れもなく現れたといいます。
(平川明子さん)「ピリピリっていう感じが背中にきたんですよね。変だな、なんだろうと。痛かったです。私の場合はもう左の背中から、変な話胸の方までぶわっとでたので」
当時のブログにも帯状疱疹の苦しみを綴っていました。
帯状疱疹の「後遺症」に悩まされる人も少なくありません。
札幌市の森川重信さんは、大好きな趣味からも遠ざかってしまったと肩を落とします。
(森川重信さん)「左手の指3本が今もしびれてますけど、他人の指みたいなんですよ。常にしびれてるんですよ。気持ち悪いですよね」
(森川重信さん)「何もできませんよね。好きなゴルフもできなかった。(ゴルフの)誘いが来なくなった」
帯状疱疹はどちらかというと、高齢者がかかりやすい…というイメージがあるようです。
(記者)「帯状疱疹は知っていますか?」
(20代女性)「名前だけ…」
(30代女性)「50代くらいからなりやすいみたいな。ワクチンもあるよみたいなことは聞いたことあるんですけど…」
(20代男性)「自分はならないと思っています。余裕こいてます」
しかし、話を聞き続けると…?
(20代男性)「自分はなったことはないけど(20代の)妹が…。顔とかいろんなところに出ていて、外出たくないみたいな感じでしたね」
(40代男性)「前職でなっていた(40代の)人はいた。とにかく痛がっていて、結構仕事を休んでいた」
若い人にも増えている…?
札幌市の20代の男性です。
帯状疱疹が現れたのは、ちょうど2023年のいまごろでした。
(20代男性)「なる人もいると言われていたんですけど、年齢層が高い人がなるもんだと思っていたので、(自分も)なるんだなというところはありましたね」
この男性は、痛みで歩くことが辛かったといいます。
(20代男性)「ベルトがあって当たるので、当たった時におや?っていうのはありました。この動きの中で、関節痛でも筋肉痛でもないような痛みがこの辺りにあるなという感じ。(発疹が)消えてからも今日寒いなとか免疫が落ちているタイミングで発疹が出ていたあたりにチクチク痛みがあるということは何度かあった」
帯状疱疹の原因となるのは、水ぼうそうのウイルス・水痘です。
子どものころに水ぼうそうに感染すると…
その後、ウイルスは長い間体内に潜伏します。
しかし、免疫が低下するとウイルスが再び暴れ出し「帯状疱疹」として現れるのです。
体の左右どちらかの神経に沿って、赤い斑点と水ぶくれが帯状に出てくる帯状疱疹が若い世代に増えている…
そのキーワードは「2014年」です。
宮崎県で行った大規模疫学調査のグラフからも、2014年を境に20代~40代の発症率が急伸しているのがわかります。
これにはワケがあります。
(かえでの杜クリニック 千葉春子院長)「以前は昔だと赤ちゃんとか子どもが発症した免疫を少し受け取って、ブースター効果と言ったりするんですが」
え?「ブースター効果」?
子ども達の間で流行する「水ぼうそう」。
子どもを介して大人にウイルスが取り込まれると、そのウイルスと免疫が戦い、免疫機能が強化されます。
これが「ブースター効果」です。
2014年に水ぼうそうワクチンの定期接種が開始。
すると、水ぼうそうにかかる子どもが激減しました。
ということは…
(かえでの杜クリニック 千葉春子院長)「以前は赤ちゃんとか子どもが発症した免疫を少し受け取って、ブースター効果と言ったりするんですが。それがなくなってしまったので、今の赤ちゃんをもっているお父さんお母さんの世代は、少し帯状疱疹にかかる割合が以前より増えている」
これが、小さな子どもの親世代・20代~40代の帯状疱疹の発症率が上がっている要因です。
帯状疱疹の予防で、最も効果的と言われるのはワクチン接種ですがー
(ワクチン接種をした男性)「正直ちょっと高いなって今回感じました」
1回の接種で済む生ワクチンでも8000円程度。
より予防効果が高い不活化ワクチンでは2回の摂取で4万円程度かかります。
道内では帯状疱疹ワクチンの助成制度を設けている自治体もありますが、札幌市や旭川市などは全額自己負担となっています。
帯状疱疹最前線。
日ごろから規則正しい生活を心がけ、免疫をあげることが予防の第一歩です。