10年ぶり全国一斉カメ調査 外来種どこまで? 在来種の生息数減少のおそれも
1日、日本自然保護協会が発表した「日本のカメ 一斉調査」の結果、 去年6月に条件付特定外来生物に指定されたアカミミガメの生息地が拡大していることがわかりました。一方で、在来種のニホンイシガメの生息数が減少しているおそれがあるということです。
◇
去年11月、季節が冬に変わる前、「news every.」は専門家とともに愛知県内の川へ取材に行きました。
40年カメを研究 矢部隆さん
「あそこにいますね、カメが」
川にいたのは「ミドリガメ」とも言われる、外来種のミシシッピアカミミガメです。
40年カメを研究 矢部隆さん
「(生息域の分布も)アカミミガメが多くなってますね。日本のカメたちのことを考えると絶望的になってしまいますね」
去年6月に条件付特定外来生物に指定されたアカミミガメ。その生息地が拡大していることが10年ぶりに行われた調査でわかりました。
1日、日本自然保護協会が発表した「日本のカメ 一斉調査」(※調査期間2023年7月1日~9月30日、集計対象数2147匹)の結果、全国からカメの目撃情報を集めたところ…
日本自然保護協会 大野正人さん
「全体の55.3%が(ミシシッピ)アカミミガメでした」
ミシシッピアカミミガメが半数以上を占める結果になりました。
日本自然保護協会 大野正人さん
「本州、四国、九州、沖縄の那覇からも情報は今回あがっていますので、本当全国に広がったなと」
その影響もあってか「イシガメのような在来種が減ってきている」といいます。
在来種であるニホンイシガメの目撃数の割合は調査を行うごとに減っていて、生息数が減少しているおそれがあることがこの調査でもわかりました。
取材した愛知県の川にいた、たくさんのカメのほとんどがミシシッピアカミミガメ。“イシガメ”と思われるカメはたったの1匹でした。
40年カメを研究 矢部隆さん
「外来生物を駆除することはほぼ不可能です。アカミミガメが生態系への影響がなるべくないレベルにまで減らすことが重要だと思います」