「おから活用グランプリ」東京・荒川区で開催 26店舗が3部門の参戦
肉やスイーツなど、さまざまなグルメイベントがある中、「おから」に特化したイベントが開催されています。狙いどこにあるのか、イベントの発起人などを取材しました。
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東京・荒川区にある創業1914年の大倉屋豆腐店は、大豆、水など原料にこだわった豆腐が名物です。しかし、今回の主役は豆腐ではなく、豆腐や豆乳を作る際に出てくる“副産物”「おから」です。
大倉屋豆腐店 石橋忠工場長
「大豆のしぼりかす、それが『おから』です。副産物というか」
おからについて街の人に聞きました。
50代
「安くて体にいい。栄養価も高い」
おからと言えば食物繊維豊富でしかも安いと、いいことずくしなのにどこか地味なイメージもあります。
20代
「おからはあまり食べないですね」
20代
「おからって粉状のやつでしょ?」
そのおからに光を当てようと、荒川区では「おから活用グランプリ」が開催中です。区内の26店舗が参戦「料理・総菜」「菓子・デザート」「アイデア・サービス」の3部門で技を競いあい、客の投票でグランプリを決めます。
大倉屋豆腐店は、定番「うの花煮」(100グラム150円)で“直球勝負”に出る一方、同じく「料理・総菜」部門にエントリーする“ライバル店”はおからを30%使用したフライドポテトで変化球勝負に出ています。(オカラスポテト450円)
ラスフリット 松田海渡代表
「おいしさは変わらず、健康志向なフライドポテトになっています」
肝心の味は…
記者
「モチモチとしています。おからは主張しすぎず、ほんのりと感じることができます」
おからの水分でモチモチ感が出るということです。
また、意外な活用方法として、「サービス」部門にエントリーの「おから」を使った“おきゅう”がありました。(おからの胡桃灸500円)
ゆうじろう整骨院 竹腰裕次郎院長
「おからの水分とかが合わさることによって熱もマイルドになりますし、インパクトを与えたいなと」
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イベントに使われる「おから」は、区内の3つの豆腐店が提供しています。そもそもなぜ「おから」に目をつけたのか、イベントの発起人に話を聞きました。
大倉屋豆腐店 石橋忠工場長
「(おからは)普段は専門の業者に引き取ってもらって、家畜の飼料になって毎日処理される」
大倉屋豆腐店の場合、総菜として使うのは多くて1キロで、残る200キロほどは家畜のエサとしてしか利用されない“もったいない現実”を変えようと、区を巻き込んでイベントを実現したのです。
結果、思わぬ“副産物”も生まれました。
荒川区 産業振興課 LANPコーディネーター・岡隆太さん
「(参加する店は)今まで全然接点なかったお店と、一緒に何かやれるのは非常に楽しいと言っていただいてるお店もありますし、(住民からも)いい試みですねと多く意見いただいている」
副産物のおからが、地元の絆をつないでいました。荒川区からおからの魅力を発信しようと、一致団結しています。