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50年後に「人口8700万人」予測 深刻な労働不足に…“4分の1”地域が事実上住めなくなる?

2023年4月27日 1:24
50年後に「人口8700万人」予測 深刻な労働不足に…“4分の1”地域が事実上住めなくなる?

26日、日本の将来の人口に関する最新の推計が明らかになりました。日本の総人口は50年後に8700万人まで減少し、さらに、その約1割を「外国人」が占めるという予測になりました。これからの日本で、どのような暮らしが待っているのでしょうのか。

■50年後に8700万人まで減少…人口予測 これからの日本で起きることは

有働由美子キャスター
「『2070年、日本の人口が8700万人まで減少する。そのうち4割近くを高齢者、1割程度を外国人が占めるようになる』との推計を26日、国の機関が発表しました。どう進んでいくのか、年表で見てみます。

2024年 100歳以上の人口10万人超え
2031年 平均年齢50.1歳(2023年48.4歳)
2040年 亡くなる人の数がピークに(167万人)
2056年 総人口9965万人

そして、約50年後の2070年の総人口は約8700万人と、現在の約7割にまで減るというのです。これからの日本には、どういう暮らしが待っているのでしょうか」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「リクルートワークス研究所が『2040年』に注目して作った未来予測があります。わずか17年後ですが、日本全体で1100万人あまりの労働力が不足するといいます。例えると、現在いる近畿地方の労働者が丸ごと消滅する規模の労働力不足に陥るということなんです」

有働キャスター
「丸ごと…というとすごいですね。どういうことが起きてくるのでしょうか?」

小栗解説委員
「まず、宅配・流通のドライバー不足です。『荷物が届けられない地域』が発生し、日本の『4分の1』の地域が事実上住めなくなります。建設現場では、修繕が必要な『22%』の道路を直すことができず、地方部の生活道路が『穴だらけ』になる危険も。医療分野はスタッフ不足で、診察まで長蛇の列が。救急車は搬送先を見つけることができず、立ち往生が常態化します」
「介護現場では例えば、週5日、訪問介護を受けていた家庭は、週1日から2日『スタッフが来られない』事態になります。そして、中小企業は『後継者不足』で廃業となり、大企業は『ベテラン・シニア世代が大量の残業』をして仕事をこなす社会になるといいます」

■「徹底的な機械化・自動化」「外国人との共生」…待ったなしで取り組むべきことは

有働キャスター
「もうすでに起こっている、気配が見えているというところもありますけど、このまま何もしなければこうなるということですよね?」

小栗解説委員
「そうなんです。そのため、こうさせないために、次のようなことなどを待ったなしで取り組む必要があるんです。

(1)ITやロボットなどを駆使した『徹底的な機械化・自動化』
(2)『少子化対策・高齢者の働き口を増やす』
(3)『外国人との共生』

24日、政府は人手不足で外国人労働者を受け入れるための在留資格について、期間の制限がなく家族も呼び寄せられる職業の分野を、2分野から11分野に拡大する方針を自民党に示しているんです」

■海外からの働き手が必要な日本 まだまだ排他的な空気が?

有働キャスター
「こうしたことも含め、辻さんはどう思いますか?」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「海外からの働き手を迎え入れていかないと立ちゆかなくなっていくというのは目に見えているのに、例えば、最近問題になっている入管法の話しかり、技能実習生に対する差別や過酷な労働環境しかり、法的にも意識的にも排他的な空気がまだまだ日本にはあるなと思います。今の日本の経済状況を見ると、もはや海外に“出稼ぎ”に行く若い日本人が増えているくらいなわけで、国籍問わず日本を選んで働きたいと思ってもらえるような制度や文化作りが急務だと思います」

有働キャスター
「私たち、『人口減って…』と聞くと暗い気持ちになりがちですが、この人口推計は日本の『未来予想図』なわけですので、これもう現実をしっかり見据えて、むしろ『世界の先頭を走ってる』と思って、新たなビジネスや、外国人の受け入れも含めた制度やモデルを作って、生きやすい社会を目指したいです」

(4月26日放送『news zero』より)