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【NNNドキュメント】地震で"廃線の危機"も… 想い乗せ走る"南阿蘇鉄道"復活の物語 NNNセレクション

2023年12月9日 14:35
【NNNドキュメント】地震で"廃線の危機"も…  想い乗せ走る"南阿蘇鉄道"復活の物語 NNNセレクション
「なんてつ」の愛称で親しまれる南阿蘇鉄道が7年3か月ぶりに全線再開。熊本地震で被災し、廃線の危機に立たされた鉄道に戻って来た観光客。どうして復活できたのか。小さな列車とともに、若き運転士や観光客をもてなす住民たちが織りなすふるさとの景色を見つめる。

 ◇◇◇

熊本地震から7年。

“長いトンネル”を抜けて帰ってきた、ふるさとの鉄道「南鉄(なんてつ)」

長陽駅・久永屋
「最高ですよ。この7年間いろいろあったけど、この日をみんなで一緒に迎えられて、村を挙げてお祝いができている。本当にうれしい気持ちでいっぱいです」

南阿蘇鉄道・運転士
「本当に7月15日という日を忘れない。南阿蘇鉄道としても私自身としても、思い出に残る1日となった」

みんなに愛された景色が、帰ってきました。鉄道と駅が“ひとつのテーマパーク”みたいなおもてなし。「南鉄(なんてつ)」の愛称で親しまれている南阿蘇鉄道は、熊本・阿蘇の山々を望む17.7㎞を走ります。

たくさんの乗客を運んできた南鉄。7年半前の「あの日」までは…。

2016年4月に起きた「熊本地震」。至るところで線路が押し流され、シンボルの「第一白川橋梁」も変形してしまいました。

南鉄は全線で運休。復旧にかかるとされた費用は、全部で約70億円。廃線の危機に追い込まれました。

住民
「さみしかです」

利用する学生
「やっぱりあった方がいいと思います。これからもっと(熊本)市内の高校に行きたいと思う人も行きやすくなる」

地震から3か月。一部区間の運行再開にこぎつけますが…。高森駅から中松駅まで、片道10分ちょっとの運行。

運転士3年目の宍戸優介さん。

宍戸さん
「人生こんなこともあるんだなと。なかなかうまくいかないなと思いました」

専門学校の職場体験で南鉄に出会うと、すぐに入社を決意。でも、その年に熊本地震が発生。 採用がなくなってしまいました。

再び南鉄で働くチャンスをつかみ、接客やイベントなど様々な仕事をしながら、念願の運転士に。しかし、運転できるのは半分の区間だけ。

宍戸さん
「正直なところ、あまり達成感がなかったといいますか、ちょっと物足りないなと思いました」

目標は、お客さんを“あの鉄橋”へ連れて行くこと。しかし、第一白川橋梁を含む区間では復旧のメドが立たないまま。

絶対にこの鉄道を守り抜く。熊本県は南鉄を復活させようと国に助けを求めました。そして、国が復旧費用の97.5%を実質負担することを決めたのです。

一気に加速した全線再開への動き。南鉄は、熊本の復興のシンボルともなっていました。

2023年7月15日、待ちに待ったその日。

「立野行き発車!」

7年3か月ぶりに目指すのは、遠かった終点の「立野駅」。

宍戸さん
「新たなスタートを切る瞬間、わくわくしています。」

つながった、すべてのレール。列車は夢にみた“あの橋”へ向かいます。

宍戸さん
「南阿蘇鉄道の一番の絶景スポット、第一白川橋梁をゆっくりと渡っております。この橋は熊本地震の影響で甚大な被害を受けまして、架け替えがされた橋となっております」

秋の気配に染まり始めた南阿蘇。

列車に揺られるいろんな制服。新しい1日が始まります。

利用する学生
「南鉄があることで、(熊本)市内にも通いやすくなるから、みんないろんな高校に行けると思う」

宍戸さん
「全線再開の熱というのが、まだ残っていると思うので、それが落ち着いてから、いかににぎわいを維持していけるか、というのが一番重要になってくると思う」

みんなで描く、かけがえのない景色がここにあります。

2023年10月15日放送 NNNドキュメント’23『なんてつと描く景色 走り続ける ふるさと鉄道』をダイジェスト版にしました。