×

同じ仕事なのに、なぜ女性は男性より給与が低いのか、賃金格差のなぜ?どうすれば?

2024年4月24日 7:30
同じ仕事なのに、なぜ女性は男性より給与が低いのか、賃金格差のなぜ?どうすれば?

働く女性の賃金が男性より低いという「男女の賃金格差」を改善するため、政府は新たな会議を立ち上げ、24日、岸田首相も出席して初会合が行われます。男女の賃金格差の原因やなぜ改善が必要なのか、まとめました。

■男女賃金の差は他国より大きい

男女の賃金格差は各国でみられますが、日本での格差はアメリカやヨーロッパ諸国に比べ大きい状態です。フルタイムで働く中程度の所得の男女で、週あたりの総収入を比べると、女性は男性より約22%低いというデータがあります。

■なぜ男女間の格差があるのか?

2023年のノーベル経済学賞は、アメリカの経済学者クラウディア・ゴールディン教授が受賞(女性単独受賞は初)。受賞理由は、労働市場での男女格差の主な要因を明らかにしたことです。

彼女の研究では、賃金の差は、男女で就く職業が違うためというよりは、同じ職業でも性別によって賃金が違うためだと明らかにしました。同じ職業に就いた男女を調べると、学校卒業直後は賃金の差はわずかですが、女性は特に出産後、キャリアの中断や家事・育児のために残業が少ない働き方を選ぶことなどで所得が低下し、その後働き続けても、男性よりも賃金が低い状態が続くということです。

そもそも同じ職種でも時給に差があるといいます。長時間労働や急な呼び出しに応じる労働者の時給は、それができない労働者よりも高い傾向にある。多くの家庭では夫が、そうした、より高い収入が得られる仕事を続け、妻は夫がいない間に育児をするために、低い時給の職種や職場で働くことを余儀なくされると分析しました。そして、男女の賃金格差が大きいのは、弁護士やコンサルタントなど、顧客と密接な関係を維持し、代理をたてるのが難しい職種だと指摘。そうした職種では、長時間労働が可能な男性とそうではない女性で賃金格差が大きくなる上、時間を気にせず働くことが評価されるため女性は昇進できず、賃金の差につながるなどと分析しました。

一方、男女の賃金格差が少ないのは、ほかの従業員による代替可能な場合だと説明しています。最近は企業も、優秀な男女を雇うため、賃金格差をなくし、男女ともに「こどもと過ごす時間を増やしたい」という願いをかなえることが必要だと考えるようになっているということです。

次ページ
■業界ごとに違う要因と対策
一緒に見られているニュース
おすすめ
24時間ライブ配信中
日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
logo

24時間ライブ配信中