ウーバーイーツの利用増 一方で死亡事故も
外出自粛の要請が続く中、飲食店の料理を家庭に届けるサービスの利用が増えています。
こうした中、交通事故も増えていて、4月には東京都内で21歳の大学生が配達中に車と衝突し、死亡していたことがわかりました。
■利用店は全国約2万店「ウーバーイーツ」
最近、街でよく見る黒いバッグを背負った自転車。配達代行を行う『ウーバーイーツ』です。外出自粛の影響で、増加している飲食店のデリバリー。
消費者が注文した食事を飲食店から受け取り、店の代わりに配達。配達員は、配送料を受け取ることができます。利用する飲食店も増え続けています。
都内のインド料理店「(ウーバーイーツを)やらないと売り上げが全然ないので、出前の方で助かっています」
2020年2月から、わずか1か月強で、ウーバーイーツを利用できる店は約3000店増え、全国で2万店ほどになりました。
■配達員の死亡も、事故事例は全国で31件
配達員の仕事とはどのようなものでしょうか?約2年勤め、労働組合に加入している配達員を取材すると、驚きの実態がありました。
まず、勤務の開始を知らせるアプリのボタンを押すと…
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「(Qもう入りました?)入りましたね」
わずか数秒で仕事が入りました。
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「では行ってまいります」
指定された約3キロ先の店舗へ直行。商品を受け取ります。
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「(Q今日は何件くらい回りたい?)20件くらい回りたいですね」
1件の注文ごとに、約500円の給料が手に入るといいます。無事1件の配達が完了。より高い収入を目指すには…
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「雨が降っている時に、この時間内に何件以上とかで、ボーナスがつくときがある」
取材した約2時間で4件の仕事をこなし、合計20キロも移動しました。
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「もっと忙しい日はありますよ、今日はヒマな方です」
しかし、過去には…
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「(以前)2件目に行く途中に焦りもあって…単独転倒ですね」
転倒事故を起こしたのです。幸いけがはありませんでした。
しかし、大事故に発展してしまったケースもあります。事故の目撃者たちは…
事故の目撃者「嫌な音がしたんだよね、ズシーンというような」
別の目撃者「(はねられた人は)全く身動きせず、ただ横たわっていた」
東京都・杉並区の住宅街で、4月、自転車と車が衝突。
被害者は、ウーバーイーツの配達員をしていた男子大学生でした。警視庁によると、自転車で交差点に進入し、左から来た車と出合い頭に衝突。その後、大学生は亡くなりました。
UberEatsコメント「事故に遭われた配達パートナーの方のご冥福を心よりお祈りいたします」
「ウーバーイーツ」の労働組合の調査によると、2020年3月、配達中の事故の事例が全国で31件寄せられました。軽傷がほとんどですが、骨折など大けがをしたケースも。
事故を経験した配達員は、より対策を徹底しています。
ウーバーイーツ配達員 土屋俊明さん「ドライブレコーダーですね。一応前と後ろにつけてますね」
安全運転の記録に加え、事故が起きた時の備えまで。安全意識が高まっています。