高校生が見た“小さな命” 未来の看護師たちが命の現場を見学 NICUで鳴り響くアラームに緊張
看護師や医療職を目指す高校生たちが、この夏、貴重な体験をしました。小さな命を守る現場を目の当たりにして、何を思ったのでしょうか…。
医療職を目指す高校生がひと夏の貴重な体験
そんな生徒たちに、この夏、ある特別な経験の場が用意されました。藤田医科大学病院のNICUを見学できることになったのです。NICUとは、新生児集中治療室のこと。早く生まれた子や病気のある赤ちゃんが一日一日を戦う場所です。
中には、母親がNICUで働いていたという生徒もいました。
母親がNICUで働いていた 成田弓奈さん:
「(母親が)患者さんのことを話している姿をみて、すごくかっこいいなと思ったので、そこから(看護師になりたいと)思い始めました」
学生のうちに医療の現場を知り、自分が将来なりたいイメージを膨らませてほしいという学校や病院側の思いによって実現したNICUの見学。教室では学べない実際の命の現場は、生徒たちの目にどう映るのでしょうか。
小さな小さな命が集う緊迫の現場へ
迎えた当日。小児医療に長年従事する藤田医科大学病院の宮田医師から講義を受けた後、まず向かったのは、赤ちゃんのために寄付された母乳が保管されている母乳バンク。小さく産まれた赤ちゃんは腸が弱いため、病気になるリスクが少ない“母乳”を必要としています。
そして、いよいよ実際に赤ちゃんが治療を受ける現場へ。NICUの中に足を踏み入れると、保育器やモニターがズラリと並んでいます。保育器にいるのは、小さく小さく産まれた赤ちゃんたち。懸命に手足を動かす姿を見て、高校生たちからは思わず「めっちゃちっちゃい…」という声が漏れます。
そのとき突然、ひとりの赤ちゃんのアラームが鳴り出しました。モニターを見ると、赤いランプが点滅しています。先生が話している間も鳴り続けるアラーム。生徒たちに緊張感が漂います。
その場では質問できなかったアラームの正体。NICUを出た後で宮田医師に質問すると、何色かあるアラームの色の中でも、赤いランプの時は緊急性が高いということでした。ただし、今回は赤ちゃんが暴れた拍子に高めに数値が出ただけなので、特に心配はないようです。
初めて感じた命の重さ。母親に憧れて看護師を目指す成田さんは、何を感じたのでしょうか。
母親がNICUで働いていた 成田弓奈さん:
「(NICUの赤ちゃんは)ちっちゃかったんですけど、すごい活気があってかわいかったです。テキパキ動ける、患者さんに寄り添える看護師になりたいなと思います」
小さな小さな赤ちゃんが一生懸命生きようとする姿は、看護師や医療職を目指す高校生たちの心を揺さぶり、将来の目標をより明確なものにしたようです。