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新型コロナの影響は採用にも 戸惑う就活生

2020年5月14日 20:41
新型コロナの影響は採用にも 戸惑う就活生

外出自粛が長引くにつれて就職活動にも影響が出ています。5月1日時点での就職内定率は、去年より6ポイントほど低く、学生、企業とも不安を抱えています。

■就職内定率は低下 オンラインのみの選考に壁も?

就職活動をはじめてからおよそ4か月が経った大学生。「20回弱くらいはウェブを通してお話しすることを体験していると思う」と話します。

2か月前、同じ学生に話を聞いたときには、オンライン面接の経験はまだ1回。「画面上になってしまうのが少し心配」「自分の思っていることをしっかり100%伝えられるかなと」とオンラインで進む選考に不安を感じていました。

しかし、今はオンライン就活にもだいぶ慣れた様子です。

就職活動中の大学4年生「コロナの影響を受けつつも上手くオンラインセミナーだったり、オンラインの面接というのに適応してきまして、順調に選考が進んでいる状態です」



ただ、オンラインならではのトラブルもあるといいます。

就職活動中の大学4年生「通信が上手くいかず、私の顔も音声も相手に届かなくて急遽電話に切り換えて頂いた。そういったトラブルが面接の合否に関わってしまうのかなと少し心配をしました」

そして、一番の心配は…

就職活動中の大学4年生「何社も採用を停止してしまったり(内定を)一時保留にしているところもあるので、例年と大きくちがうという点で、心配や不安を感じてしまったりすることがあります」

リクルートキャリアが発表した、5月1日時点の就職内定率は45.7%。去年よりも5.7ポイント低い結果です。

企業側からは「オンラインのみの選考だと、内定まで出すことが難しい」という声があるといいます。




■内定が決まっていても不安
既に1社、内定が決まっている大学生は「友達の中にも、内定をもらったけど実質取り消しのような扱いになった子もいるので、自分もそうならないかという不安はあります」と苦しい胸中を語ります。

1社内定が決まった大学4年生「(友達の内定企業は)コロナで影響をうけて、その影響が思ったよりも大きくて、まえもって想定できていなかったので採用人数を減らさなきゃいけなくなるかもしれないと」



友人のように、自身も内定切りにあわないかという不安を抱え、今も就職活動を続けているといいます。

また、小学校の教員を目指している大学生は「5月に教育実習があったんですけど、そちらができなくなってしまっています」と、焦りを感じていました。

この教育実習ができないと、採用試験に大きな影響がでるといいます。

小学校教員目指す大学4年生「採用試験の面接内容に模擬授業や子どもの場面指導などがあるので、子ども達を前に実際に授業が行えていないなか、子ども達の反応がわからないまま試験に臨むことが不安。自分のモチベーションを保ち続けるのがすごく難しいなと感じている」

■「オンライン」就活のこれから

就活生の不安はどこにあるのでしょうか。

小栗泉解説委員は「オンライン面接が増えているということですが、リクルートキャリアが行った学生へのアンケートによると『自分の話が伝わるか』や『視線をどこに向ければ良いか』について不安に思っている学生が多いということなんです」と話します。

企業側から見るとどうでしょうか。

現在、困っている企業と就活生をつなぐ新しいサービスに関わっているという、株式会社arca代表の辻愛沙子さんは「企業側も就職説明会が減ったりオンラインに切り替えたりと、いつも通りの企業PRができていないという声も多く聞いています。オンラインになったことで、地域格差がなくなったり、自宅など自分の安心できる環境で面接できたりするのは、プラスと捉えられること」と語りました。