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大雨特別警報 新型コロナ心配でも…避難を

2020年7月4日 7:17
大雨特別警報 新型コロナ心配でも…避難を

気象庁は、「これまでに経験がないような大雨になっている」として、熊本県と鹿児島県に「警戒レベル5」にあたる大雨特別警報を発表しました。命を守る最善の行動を取ってください。

気象庁は記録的な大雨によって「これまでに経験がないような大雨となっている」として、午前4時50分、熊本県の天草・芦北地方、球磨地方、宇城八代地方と、鹿児島県の出水・伊佐に大雨特別警報を発表しました。

これは、去年から導入された5段階の「大雨警戒レベル」のうち、最も危険性が高い「命の危険」があることを示す「レベル5」の情報で、住民に命を守るための最善の行動を強く求めるものです。

安全な場所まで避難する時間がなかったりすでに外に避難することが危険だと感じた場合には、近くの比較的丈夫な建物や、自宅の2階以上、山の斜面からできるだけ離れた部屋に避難するなど、状況に応じて、命を守る行動をただちに取ってください。

熊本地方気象台によりますと、熊本県の球磨川では、人吉市と球磨村で氾濫が発生したということです。レベル5にあたる「氾濫」が発生しているということです。川には絶対に近づかないようにしてください。

また、熊本県の芦北町では町内全域で河川が氾濫し浸水被害が起きています。消防によりますと芦北町女島で84歳の女性が土砂崩れによる生き埋めになりましたが、午前4時ごろに救出され病院に搬送されました。意識はあるということです。八代市二見本町では床上浸水の被害が多数出ています。

もうすでに家の周りで浸水が始まっている場合は、無理に外に避難せず、自宅の2階や3階、場合によっては屋根の上に避難することも命を守る方法の1つです。

もしまだ自分のいる場所が被害を受けていなくても、土砂災害に警戒が必要なエリアの中にいると、今後、災害に巻き込まれ、命を落とす危険があります。ただちに命を守る行動を取ってください。

もう避難できない場合には、できるだけ斜面から離れた場所にいるようにして下さい。また、1階より2階のほうが、土砂災害が起きた時に、助かる可能性が高くなります。

気象庁は今後、大雨をもたらしている前線が南に下がることに伴い、鹿児島の他の市町村や、宮崎県の市町村にも大雨特別警報を発表する可能性があると説明した上で、特別警報の発表を待ってからの避難は手遅れになる恐れがあり、自治体の避難情報に従って、早めに避難するよう呼びかけています。

新型コロナウイルスへの感染も心配ですが、避難指示・避難勧告が出された地域にいる人には、身の危険が迫っています。まずは、今ある命を守るために、ただちに避難してください。避難所に行くことだけが「避難行動」ではありません。安全な場所にある親戚の家、知人の家などに避難することも選択肢の1つです。