天皇誕生日 能登への思いや愛子さまの成長を語る 雅子さまへ「この先の人生も…」
天皇陛下は23日、64歳の誕生日を迎えられました。地震で甚大な被害を受けた能登への思いや、今年、大学を卒業される愛子さまの成長についても語られました。
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23日午前、コロナ禍以降では初めて、4年ぶりに事前の抽選がない形で一般参賀が行われました。冷たい雨が降る中、早朝から大勢の人が集まり、午前9時半の開門には5939人が列をつくりました。
この日のお出ましは午前中に合わせて3回で、1回目は午前10時20分ごろ。天皇皇后両陛下とともに長女の愛子さまも、宮殿のベランダに姿を見せられました。
64歳の誕生日を迎えた天皇陛下が、お言葉を述べられました。
「冷たい雨が降る厳しい寒さの中、誕生日にこのように来ていただき、皆さんから祝っていただくことを誠にありがたく思います。皆さん一人一人にとって穏やかな春となるよう祈っております。皆さんの健康と幸せを祈ります」
愛子さまは両陛下の隣に並び、手を振られていました。
一般参賀に訪れた人は…
新潟から訪れた人
「姿が見られて元気をもらえたというか、また頑張ろうって」
千葉から訪れた人
「今年の正月の一般参賀がなかったということで、誕生日に行こうと」
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一般参賀には、両陛下と交流のある車椅子の女の子の姿もありました。
小林咲貴さん、12歳。生まれて間もなく脳性まひとわかり、2歳の時から愛知県にある心身に障害がある人たちの病院に通い始め、何度も頭や両足の手術を受けてきました。
両陛下は即位した2019年に、この病院を視察されました。当時この病院に入院していた小学2年生の咲貴さんにも声をかけられています。
この日、初めて一般参賀に参加した咲貴さん。終了後に話を聞きました。
小林咲貴さん(12)
「雅子さまと(目が)合ったような気がする。それで(目が)合ってから、ちょっとほほえんでいたような気がした。(愛子さまは)服装がよかった。きれいだった。来てよかった」
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誕生日に合わせて行われた記者会見で陛下が語られたのは、能登半島地震の被災地への思いでした。
「今回の地震に見舞われた能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に二人で揃(そろ)って金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」
誕生日に合わせて公開された映像でも、両陛下が相談して選ばれたという能登半島の伝統工芸品、輪島塗と珠洲焼が置かれていました。
両陛下は、3月下旬に石川県の能登半島地震の被災地を訪問される方向で、調整が進められているということです。
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そして3月に大学を卒業される長女・愛子さまへの思いについても話されました。
「愛子には、これからも色々な方から沢山のことを学び、 様々な経験を積み重ねながら視野を広げ、自らの考えを深めていってほしいと願っています。皇室の一員として一つ一つの務めを、大切に果たしていってもらいたいと思います」
愛子さまの日本赤十字社への就職内定については…
「少しでも社会に貢献したいという気持ちを強く持つようになったと思われ、私たち家族ともよく話し合い、日赤で勤めることを希望いたしましたところ、日赤側にも快諾していただいたことは、とてもありがたいことでした」
会見では、結婚から30年を迎えた皇后さまへの思いも語られました。
「雅子は、娘の愛子の成長を見守りつつ、私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれています。この先の人生も引き続きよろしく、と伝えたいと思います」