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古川宇宙飛行士が責任者の研究チームで“ねつ造”と“改ざん” JAXA謝罪 宇宙環境に見立てた閉鎖空間で…

2022年11月26日 1:42
古川宇宙飛行士が責任者の研究チームで“ねつ造”と“改ざん” JAXA謝罪 宇宙環境に見立てた閉鎖空間で…

JAXA(=宇宙航空研究開発機構)は25日、宇宙飛行士の古川聡さんが実施責任者を務める研究チームでデータに複数の“ねつ造”や“改ざん”があったと発表し、謝罪しました。問題となったのは、宇宙環境に見立てた閉鎖空間に滞在したときの心理状態を評価する「ストレスの蓄積」に関する研究でした。

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JAXAは25日、研究データの"ねつ造"や"改ざん"があったとして、緊急会見で謝罪しました。

JAXA 佐々木宏理事
「ねつ造というべき行為でないかと、改ざんというべき行為ではないかという風に我々は判断しました」

その研究の実施責任者を務めていたのが、2011年に宇宙へ行った古川聡飛行士です。

宇宙飛行士 古川聡氏(2020年)
「新しいことをたくさん学んで、自分としては心は30代のつもりでいきたいと、挑戦していきたいと思っています」

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問題となったのは、古川飛行士らのチームが行う「ストレスの蓄積」に関する研究です。

健康な成人8人が13泊14日の間、宇宙環境に見立てた閉鎖空間に滞在したときの心理状態を評価するというものですが、研究の過程で問題点として挙げられたのは、“ねつ造”と“改ざん”の2つでした。

【問題点その1:“ねつ造”】
精神や心理状態を診断する面談の際、実際には研究者2人で面談をしていたにもかかわらず、3人で行っていたかのようにデータが“ねつ造”されていたといいます。

【問題点その2:“改ざん”】
診断結果についても、書き換えられた箇所が15件確認されたというのです。

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25日の会見で、JAXAが質疑に応じました。

――書き換えが外から見てわかるのは、不審な記載があった?

JAXA 佐々木宏理事
「鉛筆書きで直してあった。それがかなり多かったので、おかしいんじゃないかと」

なぜデータが改ざんされたのか。チームメンバーは「業務が多忙だったため」と話しているといいます。

古川飛行士は来年、国際宇宙ステーションでの2回目の長期滞在を予定しています。今回の騒動について、データのねつ造などには直接関与していなかったといいますが――

――古川さんは来年、宇宙飛行を予定されていると思うが(変更は)?

JAXA 佐々木宏理事
「今回の研究実施責任者の資質と宇宙飛行士の資質は異なるものと思っていますので、今のところは考えていません」

来年の宇宙滞在予定に変更はないとしていますが、JAXAは「処分については適切に対応していく」としています。古川飛行士は「指導が足りなかった」と反省しているということです。

(『news zero』より)