「松橋事件」再審で無罪 宮田浩喜さん死去
35年前に男性が殺害されたいわゆる「松橋事件」で服役し、去年、再審無罪が確定した宮田浩喜さんが29日未明、亡くなりました。87歳でした。
宮田浩喜さんは1985年、現在の熊本県宇城市松橋町で知人の男性を殺害したとして逮捕され、懲役13年の判決が確定し服役しました。しかし、宮田さんが取り調べで「燃やした」と供述したシャツの袖が見つかっていたことなどがわかり、再審(=裁判のやり直し)の結果、去年、無罪が確定しました。
その後、宮田さんは違法に行われた捜査や裁判の結果長期間服役した精神的苦痛は計り知れないとして、先月、国と県に8400万円あまりの賠償を求める裁判を起こしていました。
最近は、一日眠ったような状態だったという宮田さん。29日午前2時59分。入院先の病院で肺炎のため亡くなったということです。87歳でした。
宮田さんの再審を担当した弁護士は「体力的にも大変頑張られたと思います。賠償を求める裁判の半ばで亡くなられ残念ですが、いい結果を報告したい」と話しています。