野犬と飼い犬 ~殺処分ゼロの裏側で~
人間に捨てられ野生化した、野良犬。
飼い犬だった時は、愛されていたのに…
女性「怖いですよ犬だから。本当に早く捕まえて欲しいです」
男性「牛舎でネコを3匹飼っていたんですけれど、そのネコ3匹が全部野良犬に襲われて殺されてしまったんですよ。そのうち子供とかそういった被害も出てくるんじゃないか?」
2018年の統計では47すべての都道府県で、野犬や飼い主の分からない犬が保護されています。
広島大学・谷田創教授「野犬の最大の問題点は、狂犬病の発症の可能性があるということだと思います」
日本では60年以上、感染した犬は見つかっていませんが、狂犬病による致死率は、ほぼ100%。南部小動物管理指導センターでは、市内で捕獲された犬や猫が集められ、新しい飼い主への譲渡などが行われています。
男性「おそらく飼われていたワンちゃんではないかと思います。まだ人に対して恐怖心だとか、攻撃的だったりしますので…」
生まれたばかりの子犬たちも、捨てられていました。
男性「合計11匹」
生後1~2か月ほどの子犬たち。野犬でも子犬のうちはもらいたいという希望者は多いといいます。
少女「こんにちは」
この子犬は、引き取られた家で大切に飼われ、大きく成長していました。
飼い主「ハワイ語でオハナは家族っていうから、オハナになった」
オハナは、人と家族になることができましたが…
男性「いた!いた!あれ野犬ですよね」
大きくなるまで捕獲されない犬は、野犬と呼ばれ人間に忌み嫌われる存在に。
しかし、野犬が増える原因も、飼い主である人間の身勝手さ。
石川ドッグレスキュー・池田裕美子さん「飼ったけどもう飽きたとか、子どもが欲しいって言って飼ったけれど子どもが世話しないし、『もう要らん』とか言って持ってこられた子もいましたし、全部人間の都合だから」
かつて誰かが愛した、飼い犬。
誰かが、捨てた、野犬。
同じ命の、行き先を変えてしまうのは…、
私たち人間です。
※テレビ金沢で制作したものをリメイク。2020年7月放送、NNNドキュメント「野犬と飼い犬」より。
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】