「犬が助けてくれた」注射の恐怖心解消 米
イギリスでは、インド型の変異ウイルスが急速に拡大しています。ジョンソン首相は、ナイトクラブの再開など、規制の全面的な解除を先送りすると発表しました。海外でのコロナをめぐる各国の動きです。
◇
■イギリス
450万人以上が感染したイギリス。
イギリス感染者 458万9400人
死者 12万8171人
(米ジョンズ・ホプキンス大 15日午後5時時点)
ワクチンの接種が順調に進む中、街ゆく人々は、ほとんどがマスクを着けていません。規制の緩和も順調に進めてきたイギリスですが、あと一歩のところで計画の変更を迫られることになりました。ジョンソン首相は14日、今月21日に予定していたナイトクラブの再開など規制の全面的な解除を、4週間先送りすると発表しました。
イギリス・ジョンソン首相
「1週間で感染者が約64%増えた。ひどいところでは倍増している」
イギリスでは、インド型変異ウイルスが急速に拡大。新規感染者が7000人を超える日が続いています。規制解除の先送りを受け、ロンドンでは、ロックダウンに反対する人々が、デモを行う一幕もありました。
イギリスでは、およそ61%が少なくとも1回のワクチン接種を完了。しかし、保健当局の分析で、インド型変異ウイルスには、1回の接種だけでは効果が低いことがわかっていて、イギリス政府は4週間後までに、18歳以上の3分の2に、2回目の接種を完了するとしています。
■ブラジル
世界3番目の1700万人以上が感染したブラジル。
ブラジル感染者 1745万2612人
死者 48万8228人
(米ジョンズ・ホプキンス大 15日午後5時時点)
サンパウロで12日、バイクに乗った大勢の人々が密集。マスクを着けていない人も目に付きます。彼らのお目当ては、この人でした。
ブラジル・ボルソナロ大統領
「皆さん集まってくれてありがとう!」
この日もマスクなしで登場したボルソナロ大統領。感染が再拡大し、先週の1日の感染者数が、連日8万人前後となる中で、12日、支持者の集会に参加。従来通り、経済優先の姿勢を強調しました。
ブラジル・ボルソナロ大統領
「ステイホームは解決策ではない。基礎疾患がある人や、高齢者以外は働く必要がある」
一方、AP通信によりますと、サンパウロでは公の場でのマスク着用を義務付けています。大統領は、規則に違反したとして、およそ1万2000円の罰金を科されたということです。
■韓国
14万人以上が感染した韓国。
韓国感染者 14万8647人
死者 1992人
(韓国・保健当局 15日)
離島の住民を対象に、初めて船の上でのワクチン接種が行われました。韓国の海軍では、大型の艦艇を南西部に派遣。離島の住民らが艦艇に乗り込みました。
韓国ではすでに人口の25%以上が1回目の接種を完了。韓国メディアによりますと、離島では医療環境が整っていないことから、今回、海軍がワクチンの接種に協力したということです。ワクチンは、離島という事情を踏まえ、1回の接種ですむジョンソン・エンド・ジョンソンを使用。今月30日までに600人あまりが接種を受けるということです。
韓国・海軍 担当士官
「1日も早く、国民が日常に戻れるよう最善を尽くして支援します」
こうした中、韓国軍の兵士6人に、10日、ワクチンではなく生理食塩水を打っていたことが明らかになりました。接種前の処理では、ワクチンに生理食塩水を混ぜる必要がありますが、その際、担当者が誤って、空のワクチン容器に生理食塩水を入れたということです。
■アメリカ
世界最多の3300万人以上が感染したアメリカでは、ワクチン接種が進み、新規感染は減少傾向にあります。
アメリカ感染者 3347万4765人
死者 59万9945人
(米ジョンズ・ホプキンス大 15日午後5時時点)
しかし…。
ワクチン接種会場・担当者
「接種をためらう人もいる。強い不安を持つ人がいる」
NBCテレビによりますと、多くの人が注射針に恐怖心を持っているといいます。そこで、活躍したのが、会場のスタッフの飼っている4歳の犬。
ワクチン接種会場・担当者
「注射を怖がる若者を、犬が落ち着かせたので接種できました」
ワクチンを接種した人
「生まれてからずっと(注射に)恐怖心がありましたが、犬が助けてくれました」
◇
世界では1億7000万人以上が感染。およそ380万人が死亡しています。少なくとも1回のワクチン接種を終えた割合は、カナダはおよそ65%、イスラエルはおよそ63%。世界全体でも20%を超えています。