8月の「実質賃金」 3か月ぶりマイナス
今年8月の働く人1人あたりの賃金に物価の動きを反映させた「実質賃金」は、3か月ぶりにマイナスとなりました。
厚生労働省が発表した、毎月勤労統計の速報値によりますと、基本給や残業代、賞与などを合わせた8月の1人あたりの給与は、平均29万6588円で前の年の同じ月と比べ3パーセント増え、32か月連続のプラスとなりました。物価の変動を反映させた実質賃金は、前の年の同じ月と比べ0.6パーセントの減少で、前年を下回るのは3か月ぶりです。
一方で、賞与などを除いた、決まって支給する給与は、28万3637円で、前の年の同じ月と比べて、3パーセント増加し、32年4か月ぶりの高い伸びとなりました。
厚労省はこの伸びについて、「医療や障害福祉の分野の報酬改定、運輸業・郵便業の分野の標準的な運賃の改定により、この分野で賃上げが行われたことが影響し、32年ぶりの高い伸びにつながったと考えられる。」と説明し、今後も物価と賃金の両面から状況を注視していくと話しています。