×

“ジャニーズ”消滅――新会社「エージェント業務」で何が変わる? 事務所と対等な関係、仕事の決定権…タレントのメリットは?

2023年10月3日 9:31
“ジャニーズ”消滅――新会社「エージェント業務」で何が変わる? 事務所と対等な関係、仕事の決定権…タレントのメリットは?

性加害問題に揺れるジャニーズ事務所。被害者への補償終了後に廃業し、新会社を設立することが2日の会見で明らかになりました。新会社のポイントは、エージェント契約を行う点。従来のマネジメント契約との違いや、タレントのメリットについて考えます。

■新会社は社名をファンクラブで公募

有働由美子キャスター
「ジャニーズ事務所は『SMILE-UP.』に名前が変わります。そして被害者への補償業務のみを行い、終了後に廃業するということです」

「一方、新たに発表した新会社は社名をファンクラブで公募。1か月以内の設立を予定していて、タレントのエージェント業務を行う会社です。旧ジャニーズ事務所から承継するものはないとしています。これまでとどう変えようとしているのでしょうか?」

■マネジメント契約との違いは?

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ポイントは、エージェント会社になるというところです。これまでジャニーズ事務所が行っていたマネジメント契約と、新会社が行うというエージェント契約は何が違うのか。レイ法律事務所の河西邦剛弁護士に聞きました」

「河西弁護士によると、マネジメント契約は事務所の力が大きく、エージェント契約はタレントの自由度が高いのが特徴です。マネジメント契約は日本の多くの芸能事務所が取っている形で、テレビや雑誌など企業からの仕事を事務所が取ってきます」

「そして企業は事務所に報酬を渡し、仕事をしたタレントは事務所から報酬をもらいます。スケジュール管理を含めてマネジメント業務は全て事務所がやってくれますが、仕事の決定権はタレントではなく、事務所にあるという構図です」

「一方、新会社が行うとしているエージェント契約は、一般的に決定権はタレントにあります。事務所が仕事の営業や交渉の代行はしますが、それ以外のマネジメント業務は原則全てタレントがやらなければなりません」

「企業からの報酬は全てタレントに渡され、タレントが事務所に手数料を払うという形です。タレントは事務所とは対等の立場になります。ただ自由な分、仕事で問題があった時に事務所が対応してくれないため、責任も重くなります」

■事務所の不祥事にも…責任問われず

有働キャスター
「これまで事務所主体だったのが、タレント主体になっていくということですね」

小野委員
「そうです。2日、東山紀之社長は『エージェント契約なので(タレントに)やりたいことをさせてあげられる』と話していました。タレントにとってのエージェント契約のメリットについて河西弁護士に聞きました」

「河西弁護士によると、事務所に問題や不祥事があった時に、タレント側が責任を問われることはありません。また、タレントが主体になるので事務所の権力がある人によって仕事を決められる、嫌なことを強いられる可能性が低くなります」

(10月2日『news zero』より)

    一緒に見られているニュース