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首都圏で強盗など相次ぐ…3つの事件で男の指紋一致 現場周辺で“不審な共通点”も

2024年10月18日 20:46
首都圏で強盗など相次ぐ…3つの事件で男の指紋一致 現場周辺で“不審な共通点”も

首都圏で強盗事件などが相次ぐ中、18日、警視庁など1都3県の警察本部が、強盗殺人など14の事件を対象に合同捜査本部を設置しました。このうち、千葉県市川市と船橋市、神奈川県横浜市の3つの事件で、現場から同じ男の指紋が検出されていたことが新たにわかりました。

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市川市の事件では、住人は寝ていたところを侵入されたとみられます。72歳の母親と50歳の娘が暮らす住宅で、当時、家にいたのは娘だけでした。住宅の辺り一帯は畑で、夜は足元が見えないほどの暗さです。この暗闇と静けさを狙って、犯行に及んだのでしょうか。

17日午前1時すぎの付近の防犯カメラの映像には、現場となった住宅の前に3人の人物が現れる様子が捉えられていました。およそ10分間、住宅の方向から出たり入ったりを繰り返していました。

夜が明け、仕事を終えた母親(72)が自宅へ帰ると、室内は荒らされた状態で、現金や車が盗まれていたほか、娘(50)もいなくなっていました。無事が確認されたのは、17日夜です。

藤井柊容疑者(26)が、娘を監禁していた疑いで逮捕されました。警察によると、娘は「寝ている時に3人の男が入ってきて、暴行を加えられた。粘着テープで縛られ車に乗せられた」と話しているといいます。

車に乗せられ向かったとみられるのは、自宅がある千葉県市川市からおよそ50キロ離れた埼玉県川越市です。川越市にあるホテルで17日夜、保護されたということです。

なぜ、自宅から連れ出され監禁されたのか、元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之氏の見解を聞きました。

元神奈川県警捜査1課長 鳴海達之氏
「奪った金額が想定よりも少なかったのかなと。連れ去ってキャッシュカードでもクレジットカードでもいいから、お金を作らせて、それを奪えというような指示が指示役からあったんじゃないか」

娘が話しているという3人組の男。1人は逮捕された藤井容疑者とみられますが、捜査関係者によると18日、この事件に関わったとみられる別の人物が、神奈川県内の警察署に出頭したことが新たに判明しました。警察は、この人物が事件に関与したとみて調べるとともに、もう1人の男の行方を追っています。

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関東各地で相次ぐ強盗事件。多くの負傷者、そして死者も出ているこの事態に、警察は総力を結集。

警視庁 親家和仁刑事部長(18日午後)
「日本警察の総力をあげて、犯罪グループの実態や事案の全容を解明する必要がある」

1都3県の警察による「合同捜査本部」が始動しました。

警視庁 親家和仁刑事部長
「住民の方々は『自分も被害にあうのではないか』大きな不安を抱えて日常生活を送らざるを得ない状況にあります。指示役や首謀者といった上位被疑者を一掃する必要があります。今こそ刑事の力、捜査の力を存分に発揮すべき時であります」

まず、捜査のコアターゲットに定めたのは、8月以降に発生した14の事件です。

さいたま市の公園などで起きた事件。千葉県八千代市の質店。さいたま市の住宅。神奈川県厚木市と鎌倉市は、いずれも質店です。これ以降は全て住宅での強盗事件となっています。さいたま市。千葉県船橋市の住宅。東京・練馬区。東京・国分寺市や埼玉県所沢市。狙われる住宅のほとんどが、高齢の人が住む家です。

今週は連日のように起きていて、神奈川県横浜市では、住人の命も奪われました。亡くなった後藤寛治さん(75)は、手足を粘着テープで縛られた上、何度も暴行を加えられたとみられています。

ガラスなどを割って押し入り、住人を縛って脅すなどして金品を奪うという手口は多くの事件で共通しています。直近で起きたのは17日、千葉県市川市。72歳の母親と50歳の娘が暮らす住宅です。母親が夜勤明けで帰宅すると、窓ガラスが割られていて、部屋は荒れた状態。現金と車が盗まれていて、家にいた娘が、何者かに連れ去られていました。17日午前1時すぎの付近の防犯カメラの映像には、自宅の前をうろつく怪しい3人組の姿がありました。

その後、警察は防犯カメラなどの捜査で、自宅からおよそ50キロ離れた埼玉県川越市のホテルで監禁されていたとみられる娘を保護。藤井柊容疑者(26)を逮捕しました。

捜査関係者によると、この男の指紋が、後藤さんが亡くなった神奈川県横浜市の住宅で見つかった指紋と一致していたことが判明しました。さらに、10月9日に船橋市の住宅で起きた事件で見つかった指紋とも一致していたことが新たにわかりました。

警察は、藤井容疑者が3つの事件に関わったとみて調べています。

1都3県の合同捜査本部が捜査を行う14の事件。さらにこのほかにも、「闇バイト」によるものとみられる事件は、少なくとも4件起きています。一連の事件の背後には、「指示役」グループが存在するとみられていて、使用しているアカウント名は、「ジョジョ」「SASUKE」「ルキア」「Drヒルルク」「夏目漱石」などが浮上しているということです。

事件があった周辺ではここ最近、不審な共通点もありました。横浜では…

近所の住民
「『水漏れを点検させてくれ』って変な若い兄ちゃんが、(水道の)知識があるから入れさせなかった」
「『水道欠陥だからまずい』と。『どういうふうにまずいか検査するから』」

千葉の市川市では…

近所の住民
「ちょっとえたいのしれない訪問。『お宅、屋根見たら瓦がずれている。もし良かったら直しますけど』って。大丈夫ですって断った」

不審な訪問。

近所の住民
「姉が住んでいる家にリフォーム業者が来て、『説明したいんで、家から出てきてもらえませんか?』と。『かなり、怪しかった』と言っていた」

元神奈川県警捜査1課長の鳴海氏は、「知らない人の訪問には警戒してほしい」と話します。

鳴海達之氏
「もう面接しないこと。カメラがついているインターホンだったらインターホン越しに話をして全て断る。飛び込み営業のやつは取り合わない。いろんな名簿が流出しているから、自分の個人情報は出ているものと思った方がいい。ちょっと離れている家は狙われやすいから、余計に気を使った方がいい」

改めて、身の回りの備えを見直すことが必要です。