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【衆院選】“スーパーから見る”衆院選 野菜も卵も…続々値上げ 各党の物価高対策は?賃上げは?

2024年10月18日 18:49
【衆院選】“スーパーから見る”衆院選 野菜も卵も…続々値上げ 各党の物価高対策は?賃上げは?
 “スーパーの現場から見る”衆院選というテーマで考えていきたいと思います。大阪市内のスーパーから中継です。(取材・報告=中野颯大 記者)

(中野記者)
 夕方の時間ということもあり、晩御飯の準備などで買い物に訪れる方が絶え間なくいらっしゃっています。まずはこちらのお米です。少し前までは米が不足しているというのが話題に上がっていましたが、「新米」と書かれたお米がたくさん並んでいて、ある程度在庫が確保できる状況になってきたのかなというのが伺えます。ただ一方、頭を悩ませているのが値上げです。

 野菜コーナーをご紹介しようと思います。こちらのトマト、税抜き580円、税込みだと626円と書かれていますが、このトマト、今は1パックあたり3個ずつ入っています。ただ、値段が上がる前の安かった時期は、4つ入って300円以下だったそうなんです。3個で税抜き580円、税込み626円となりますと、金額も上がっていて、個数も減っているという状況です。

 いろんな野菜の中で、もう一つご紹介したいのが葉物類です。このレタスも1玉で税込み429円です。これも値段が上がる前は、1玉で200円以下かなという印象だったそうなんです。

 すぐ隣に「野菜の相場が高騰しています」という表記がありますが、野菜自体の値段が上がってますよというポップを出すことで、店側の葛藤、苦しさというのが伺えるようなポップになっている印象です。

 そもそも10月は、暑さの影響で毎年、値段が少し上がりやすい傾向にあるそうなんです。ただし、物価高の影響もあって、例年と比べてさらに値段が上がってしまっている状況だそうです。
 
 そんな中、キノコ類とイモなどの根菜類については、値段も落ち着いているということでした。

 もう一つ、卵なんですけど、2023年、鳥インフルエンザの影響で高騰していたというのが印象的で、値段は落ち着いていたそうなんですが、再び上がってきて、今では10個で321円です。先ほどの野菜もこの卵も、暑さと物価高というところで、野菜は不作、卵も鶏が暑さでバテてしまって、餌を食べなくなって卵が確保できない状況になってしまい、値段が上がってしまっているそうです。

 こうした物価高にどう対応するのか、どんな対策を打っていくのかが、今回の衆議院選挙の争点になっています。各党が対策を打ち出されていますが、果たして本当に実現されるのか、そして納得できる対策になっているのかが、消費者、市民にとっても非常に注目のポイントなのかなと感じます。

(中谷しのぶキャスター)
 物価の上昇なんですが、こちら整理してお伝えしますと、10月以降、値上がりが続々ということで、10月は今年最多の値上げの品目数となったんですね。ハム、ソーセージは最大2割程度アップ。ペットボトルの飲料も20円、500mlの場合は上がっている。油も高くなって、パックご飯は11月には一斉値上げを予定している。今年年内、累計1万品目以上を値上げを予定しているということです。

 食品だけではありません、電気代もです。今、負担軽減のための補助金として補助金が出ていますが、10月使用分を最後に終了する見込みということで、実質11月使用分から値上がりする見通しです。補助の延長という話も出てきています。

 各党が選挙に向けて公約も掲げています。低所得者世帯への給付というところから、5%から8%に引き下げという減税という案、組み合わせるという案、いろいろ各党を打ち出しているんですけれども、街の皆さんはどう思っていますか?

(中野颯大 記者)
 スーパーに実際に買い物に来られた方に、給付そして減税、どのように考えているのか話を聞いてみましたが、印象的だったのは、継続した支援をしてほしいという声だったんですね。

 給付というのは、一時的にお金をもらえるという意味ではありがたいけれども、一方で一時的に過ぎないというところで言うと、やはり減税の方が継続的な支援として、家計への影響、生活への影響が大きいという意味でありがたいという声が多かったような印象でした。

特にスーパーなどは、贅沢品というよりも、生きていくために必要な食料品、食べ物ということになりますので、ここでお話をお伺いした方々からも、切実な声といいますか、死活問題という印象を受けました。

(中谷しのぶキャスター)
 石破首相もこのように言っています。「物価上昇を上回る賃金上昇を実現したい」ということで、最低賃金(2024年度)を見てみますと、前年度よりも51円上がっていて、いま全国平均1055円となっています。

 ではここから、どう賃上げをしていくのか、各党を見てみますと、キーワードとしては1500円というのが多くの党で掲げられています。それに加えて企業の支援対策も含まれているということなんですけれども、1500円以上、今1055円のものから1500円というと、400円近くですかね、上がるということになります。

 経営者側はどう感じているんでしょうか?

(中野颯大 記者)
 こちらのスーパーでは、今月に入って時給を50円上げたそうなんです。時給を50円上げて1130円にしたそうなんですが、ここから1500円となりますと、400円近く上げる必要が出てきます。ただ、社長に話を伺うと、賃金を50円上げるためには、数百万円の売上を追加で上げなきゃいけないそうなんです。

 400円上げようと思うと、数千万円単位で追加の売上が必要になってきます。もちろん上げれるのもなら上げたいということなんですが、いろんな商品も本当に物価高の影響で値段が上がってしまっている状況なので、現段階の値段からさらに値段を上乗せするというのは、店にとっても、消費者にとってもかなり苦しい状況になってくると思います。

 ですので、賃金を上げていくためには、何か別の方法で優遇する措置、優遇対策などがないと、立ち行かなくなる店も出てくるんじゃないかというような話もされていました。

 体力のない中小企業などは、賃金を上げて、結果として会社が潰れてしまうということになってしまうと、元も子もないわけで、やはり従業員の生活を守りながら、賃金を上げて従業員の生活を守りながら、会社も続けていくというためには、どのような対策が必要なのか、そしてその対策を本当に実現できるものなのかというところを、各党の対策を含めて考えてほしいなと思います。

(中谷しのぶキャスター)
 本当に実効性のあるものなのか、そこまでの議論をしっかりと見ていきたいですね。

(横須賀ゆきの解説委員)
 専門家から指摘されているのは、中小企業が賃上げをした企業に関しては、コスト分として補助する。絶対に投資も積極的にやった中小企業に対しても補助するということで、大手企業とのバランスを図っていくのが、やっぱり経済活性化、消費促進につながっていくんじゃないかという指摘もあるので、ここは実際に実現してほしいです。

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