鳥インフル“大流行”で…たまご値上がり↑
食卓に欠かせないタマゴですが、今、困ったことが起きているといいます。今年に入って変化があったのは、その「値段」です。飲食店や消費者は不安を訴えているといいます。
新鮮な卵をまるごと3つ、フライパンに注ぎ、強火で一気に焼き上げます。ふわふわになったタマゴをチキンライスのうえにかければ、この店一押しの限定メニュー「オムライス」のできあがり。タマゴの食感が人気です。
都内の洋食店では、タマゴは数々の料理の必需品。多い時で1日150個使うといいますが、今、“困った事態”が起きているのです。
赤坂津つ井副料理長・木下陽平さん「今の時期の例年に比べて少し高いのかなという話は卵屋さんに聞いています。しんどいなという気持ちしかないですね」
値段が高騰しているというのです。
「物価の優等生」ともいわれているタマゴですが、現在の値段は…10個入りが148円。このスーパーでは先週と比べ、およそ20円値上がりしたというのです。消費者も不安を訴えました。
40代主婦「10円でも上がると毎日のことだから(家計が)厳しい」「オムレツに3個使うところを2個にしようかなと数ごまかしながら買う」
こちらの家族は、一家で卵料理が大好物。
40代会社員「生卵、冷蔵庫に置いとくと子供らが自分たちで、夜食(を作って)食べちゃうので置かないようにするしかない」
◇
タマゴの値段の推移を見てみると去年1月の価格は上旬が安く、その後、少しずつ上昇しましたが、下旬にかけての値上がりはわずか10円でした。
しかし今年はスタートこそ安かったものの、22日にかけて35円上昇と、上がり幅が増大しているのです。そのワケは…。
ベニースーパー・赤津友弥本部長「鳥インフルエンザの発生によりまして、養鶏業者の鶏が処理されていることが考えられる」
実は、コロナの感染が拡大する中で鳥インフルエンザが猛威を振るっているのです。農林水産省によると、これは非常事態レベル。
今シーズン初めに確認されたのは去年11月の香川県の養鶏場。その後、次々と感染が広がり22日までに15の県・59軒の養鶏場などに拡大。
処分された鶏は実に600万羽。うちタマゴを産む鶏はおよそ460万羽で、これは全体の3%にも相当する数。大手卸売業者は、コロナ禍で業務用タマゴの需要が減少しているため、すぐに食卓で品薄になる事はないといいますが、生産への影響を懸念しています。
◇
また、タマゴだけではなく鶏肉を扱う飲食店も、不安を抱いています。
炭火焼鳥山しな・店主山科昌彦さん「これがどんどん広がってきたら怖い。コロナの状態で仕入れ値段抑えたいのに逆に仕入れの値段上がると怖い」
鶏肉の価格は、高騰していないといいますが、今後の広がり方次第では…。
炭火焼鳥山しな・店主山科昌彦さん「コロナじゃないけど全国的に、広がったら対策練らなきゃいけない」
新型コロナと時を同じくして起きてしまった鳥インフルエンザの大流行。その原因について農林水産省は、ロシアのシベリアから越冬で来た多くの渡り鳥がウイルスをもっていた可能性をあげています。