大井川鐵道 「縁起物」で受験生を応援
扉を開けると…真っ赤な炎…そして手にしているのは…木の板?タイミングを見計らって…投げ入れた!そして手を合わせます。これは…いったい…。
去年11月、ダジャレから市民の要望で改名した合格駅と、門出と名付けられた新たな駅が誕生し話題をよんでいる静岡県の大井川鐵道。今年も、社員総出で受験生を応援する大規模なある取り組みが行われました。
大井川鐵道は沿線4か所にある中学校の受験生たちを6年前から応援をしています。毎年1月に入ると、大井川鐵道の職員達が受験生のもとにあるお守りを持って訪問します。
1つは「滑り止めの砂」これは、SL列車などが急坂を通過する際、滑り止めとしてレールの上に巻く砂で、試験にすべらないように、そして、困難にも踏ん張れるようにという願いが込められています。
もう1つは「護摩木」。静岡県島田市のお寺で祈祷を受け、大井川鐵道の焼印がつけられています。こちらに一人ひとり丁寧に願いを書き込んでいきます。
そして受験日が近づいた1月29日。新金谷の車両基地では沿線4つの中学校に通う3年生223人の願いが詰まった護摩木が並べられていきます。15歳、一人一人の願いが、力強く刻まれています。それを紙袋いっぱいにつめ職員が持っていった先は、なんと…「蒸気機関車!」。
今年は新型コロナウイルスの影響で、相次いで運行が取りやめになっていますが、受験生の思いを天に届けるお焚き上げのために火を入れました。赤々と燃える炎。火室(かしつ)の中では火の粉も飛び交います。運転席に置かれた紙袋の中から両手で願い事を取り上げます。そして…手を合わせ、祈ります。
1本1本にはこれまで懸命に頑張ってきた一人一人の中学生たちの願いが詰まっています。思いを込めて、お焚きあげをしていきます。
鉄道部課長SL運転士・坂下裕之さん「気持ちを込めてお焚きあげをしています。みなさんが必ず全員合格できるようにお祈りをしております」
普段は石炭がくべられ、人々を力強く目的地へ運ぶこのSLも年に1回、この日だけは、受験生たちの願いを天空の彼方へと運び力強く、それぞれの目標に向かって後押ししていました。
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今回は静岡県を走る大井川鐵道。SLにまつわる「縁起物」で受験生を応援します。
「藤田大介アナの日テレ鉄道NEWS」は日本テレビで1番の鉄道好きアナウンサー藤田大介アナが鉄道に関するニュースや話題をマニアックな目線でお届けするオリジナル企画です。