藤田アナ鉄道NEWS「大井川鐵道」
「藤田大介アナの日テレ鉄道NEWS」は、日本テレビで一番の鉄道好きアナウンサー藤田大介が鉄道に関するニュースや話題をマニアックな目線でお届けするオリジナル企画です。今回は「合格」と「門出」、縁起のよい駅名でも受験生にエールをおくる大井川鐵道。SLだけでなく、かつて南海や近鉄を走った車両や「昭和」の鉄道施設にも注目です。
「次は、合格です。」
「まもなく、合格です。」
子どもたちに人気の「きかんしゃトーマス」やかつて南海電鉄の特急としても活躍した車両なども、時代を超えて走り全国で唯一、SLがほぼ毎日定期運転されている大井川鐵道。
静岡県の金谷(かなや)から井川(いかわ)まで、大井川に沿って雄大な景色の中をかけ抜けます。しかし去年の豪雨で甚大な被害を受け、現在も一部区間で運休を余儀なくされている大井川鐵道。懸命な復旧作業が続いています。
そんな大井川鐵道が、「合格」から「門出」へ、駅名でも受験生にエールをおくります。
列車の車内放送が告げたのは…
「次は、合格です。」
さらに・・・
「次は、門出です。」
なんとも縁起のいい駅名が続きます。
去年11月、大井川鐵道では35年ぶりとなる新駅が誕生。この駅が「門出」と名付けられたことを機に隣の駅も沿線住民たちの熱心な思いから「合格」に改名されました。
この合格駅、かつては地区の名前と同じ五和(ごか)駅でした。地元をさらに盛り上げたいと、2015年から大井川鐵道の許可を得た住民たちが「五和(ごか)」を「合格」ともじって手作りの看板や鳥居を設置。噂は広がり、縁起が良いとして受験生のみならず利用者にも親しまれる駅になりました。
そして迎えた初めての受験シーズン。「合格祈願」のお札をイメージした台紙に「合格」駅と「門出」駅の入場券。さらに「合格」から「門出」までの片道切符をセットにし、マスクも収納できるクリアケースを付けた記念切符を販売。
この二つの駅、通常では切符の取り扱いがない無人駅のため特別な切符ですが、地元の人々が受験生の子供や孫たちに贈ろうと人気をよんでいるということです。
大井川鐵道によりますと、「冗談から始まった駅名がいまや受験生たちを力づけ心まで潤してくれていると感じます。受験生たちには地元をしょって立つような大人になるよう鉄道会社としても出来ることで後押ししていきたい」と話しています。