違法薬物を購入した疑惑で精密機器大手オリンパスの社長を辞任していたシュテファン・カウフマン氏に、コカインなどと認識した上で薬物を譲り渡したとして、密売人の男が逮捕されたことが分かりました。

麻薬特例法違反の疑いで逮捕されたのは、自称カメラマンの金子高明容疑者（44）です。

捜査関係者によりますと、金子容疑者は2022年9月ごろから今年2月ごろの間、複数回にわたり、東京都内で違法薬物のコカインやMDMAと認識した上で、精密機器大手オリンパスの前社長シュテファン・カウフマン氏に薬物を譲り渡した疑いがもたれています。

カウフマン氏を巡っては、オリンパス社が違法薬物を購入していたとの通報があったとして警視庁に報告するとともに、内部調査を行っていて、その結果を受け、カウフマン氏は先月、社長を辞任していました。

一方、今回逮捕された金子容疑者は今年6月に警視庁に家宅捜索を受け、自宅から覚醒剤が押収されたことから、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕・起訴されていました。

オリンパス社の相談を受けた警視庁は捜査を続け、金子容疑者がオリンパス社へ宛てた手紙の内容やカウフマン氏の供述などから、コカインなどとして譲り渡した疑いが強まったため、今回の金子容疑者の逮捕にいたったということです。

金子容疑者は、警視庁の調べに対し黙秘しているということです。

警視庁は、カウフマン氏についても今後、立件する可能性を視野に捜査を進める方針です。