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女性理事4割超は…橋本新体制で再スタート

2021年3月2日 19:48
女性理事4割超は…橋本新体制で再スタート

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は、橋本聖子新会長のもと再スタート。女性理事の割合を40%以上にすることを掲げた橋本会長ですが、改革は一気に進むのか?ジェンダー平等において世界から大きく遅れた日本の現状もあわせて解説します。

■新たに12人の女性理事…了承なるか

2日の理事会で了承を目指すのは、女性理事の割合を40%以上にする方針です。これは、橋本会長が就任直後から組織委員会改革の一つとして掲げていたものです。現在の組織委員会の理事は34人で、そのうち女性は7人、約21%となっています。

関係者によると、今回、組織委員会は理事の定数を12人増やして、その全員を女性にするといいます。すると理事全体に占める女性の割合は40%以上となり、橋本会長の方針を達成できます。

新たに増やす女性理事12人の候補として名前が挙がっている方が何人かいますが、その一人がQちゃんの愛称で親しまれる高橋尚子さん。シドニーオリンピックのマラソン金メダリストです。

大日方邦子さんの名前も聞こえてきています。『日本障害者スキーのパイオニア』と呼ばれる方で、3歳の時に事故で両足に障害を負いながら、1998年の長野で、日本人初となる冬のパラリンピック金メダリストになりました。パラリンピック5大会に出場し、獲得したメダルは10個にのぼります。

ほかには、元アスリートや学識経験者の名前が挙がっているということです。

■少ない女性リーダー…世界に大きく遅れた日本

今回、組織委員会は女性理事の割合を増やすことになりましたが、女性リーダーの少なさは、スポーツ界に限った話ではありません。

政府は、社会のあらゆる分野で、指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに30%にするという目標を掲げてきました。指導的地位とはリーダーのことです。例えば、政治家、企業の経営者や管理職、大学の学長や、学校の校長、教頭など、あらゆる分野のリーダーのことです。

この目標を掲げたのは2003年、小泉政権の時でした。ところが、2020年になっても達成できずにいるので、去年、「2020年代の可能な限り早期に30%程度」と目標を変更しました。最も遅くなった場合は「2029年に30%」です。

しかし、いま世界は「2030年までに50%」という目標を掲げています。国連も幹部レベルで男女同数を去年達成しました。フランスでは『パリテ』といって、議員を男女同数にしようとする制度があります。日本は世界から大きく遅れているのです。

しかし、こうした指導的地位に占める女性の割合の話になると、「適任の女性がいない」「女性がなりたがらない」という声が必ず出てきます。もしそれが本当だとするならば、それはなぜなのか、そこに着目してほしいのです。

例えば「適任」とは、男性社会を基準にその評価をしていないでしょうか。あるいは、女性に期待をして、しっかり戦力として育ててきたでしょうか。突然、リーダーの資質を求めていないでしょうか。女性リーダーの数を増やすだけの議論にとどまらず、社会のあり方も考える必要があるのです。

■聖火リレー「現代の日本で見たい」「感染が怖いので行かない」

オリンピックをめぐっては、もう一つ話題があります。

2日午後に大会組織委員会の公式ウェブサイトで、『聖火リレー』の詳細なルートが公開される予定でしたが、本日中に公開できない可能性が発表されました。

そこで、現時点での情報を基に、7月22日午前から行われる「渋谷区」を見ていきます。

出発地は「文化村通り」で午前11時20分の出発です。ハチ公前のスクランブル交差点を通って、表参道へ向かいます。そこから代々木公園方面へと進み、到着地は「代々木大山公園」、時間は午後0時44分の予定となっています。

2日、ルートになっている場所で街の人に話を聞いてみると、「映像越し、テレビ越しでもいいから、現代の日本で1回は見てみたいなっていうのは率直には思う」「一生で見られるかどうか、みたいな気持ちはある。けど、やっぱり感染が怖いので行かない」「若者の多い場所だったり、人が集まる場所では、やらない方がいいと思う。テレビとかで見ればいいかなと」などの声が聞かれました。

■相次ぐ著名人ランナーの辞退

著名人ランナーなどで過度な密集が発生した場合は、聖火リレーの中断もあり得るという発表が先日ありました。ところが、その著名人ランナーの辞退が、いま相次いでいます。愛知県瀬戸市を走る予定だった将棋の藤井聡太二冠は、「今以上に将棋と向き合うことが必要と考え」悩んだ末に、決めたということです。

2日に発表になったのが、茨城県のランナーに選出されていた俳優の渡辺徹さんです。先に決まっていた舞台のスケジュールとの調整がつかず、1月に辞退していました。

そして、福井県でトップバッターを務める予定だった歌手の五木ひろしさん。「スケジュールの都合」で、去年10月に辞退を申し入れていたということです。

理由は様々ですが、辞退が相次いでいることは間違いありません。

3日は、注目の5者によるトップ会談が行われます。新体制で、あらためて連携を確認する予定です。今回のオリンピックを機に、遅ればせながら日本でもジェンダー平等への関心が高まってきました。こうしたこともオリンピックのレガシーになってほしいと思います。

(2021年3月2日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より