人は、なぜ行方不明に? 24時間体制の埼玉県警捜査員に密着
人は、なぜ“行方不明”になってしまうのか。日々、行方不明になった人たちを捜索する埼玉県警の捜査員に密着しました。
ある日、突然、家族や友人が行方知れずに…。そんな行方不明者の捜索を担当する埼玉県警の捜査員がいます。
埼玉県警草加署・中島幸一警部補「“行方不明”に関しては、こちらの棚になっています。入り切らなかったりもするんじゃないか」
実は年間の行方不明者の数が、関東で最も多いのが「埼玉県」。次々と舞い込む事案に対応するため…。
中島幸一警部補「24時間体制にすれば(対応への)漏れがなくなる」
埼玉県警は24時間体制で行方不明などに対応する全国で唯一の専門部隊を、39の警察署のうち、およそ半数に配置しているのです。
この日、捜査員のもとに届いたのは…。
及川卓警部補「認知症のおじいさんが朝、散歩に出かけて帰ってきていない」
行方不明者の割合で最も多いのが“認知症”で、全体の3割近くを占めています。
及川卓警部補「(提供を受けた)写真と同じだったら(声かけに)いこうか」
なかなか発見への糸口は見いだせませんが、現場には警察犬も出動。家族から預かった男性の帽子のにおいを嗅がせて歩いてみると…。
及川卓警部補「迷いなく行っているので(男性の)においがあるのかなと」
この先に男性がいるのか――。手がかりを探しながら、地道な捜索は続きます。しかし…。
警察犬担当「厳しいですね」
及川卓警部補「ここまでは来たのかなということですかね」
警察犬担当「可能性は、ありますね」
男性のにおいは、自宅から500メートルほどで途切れてしまっていました。その後、男性は翌朝、15キロ以上離れた路上で発見され、保護されたということです。
人は、なぜ行方不明になってしまうのか。
埼玉県警人身安全対策課、行方不明対策係・室伏健太警部補「遺書を残して、自転車でどこか行っちゃった。わかりました、転進します」
その理由は、人それぞれで…。
室伏健太警部補「あれ? 帰宅」
捜索開始から、わずか20分で自宅に帰宅するケースもあれば…。行方がわからなくなってから数年、いまだに見つからないままのケースもあります。
一人でも多くの人を見つけるため――。
室伏健太警部補「行方不明者が、何が好きだとか、趣味によって行く場所が推測できるところをつぶしていく」
捜索の範囲は、ときに都内にまで及びます。
室伏健太警部補「行方不明者が、よく泊まるようなホテルがあるので、聞き込みをできないかなと。対面でチェックインしなくて済むところがあるので」
さらに、全国を飛び回り、行方不明者の捜索を行うこともある捜査員。それでも、行方不明者を捜すのは「事件や事故につながる事態を未然に防ぐため」です。
中島幸一警部補「事件に巻き込まれているかの判断は、行って話を聞かないと、わからない。時間は、ほとんど関係ない」
これからも昼夜を問わず、行方不明者を捜す捜査員の仕事は続いていきます。