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接種率トップ 和歌山「9.48%」のワケ

2021年5月20日 10:42
接種率トップ 和歌山「9.48%」のワケ

接種が進む、高齢者への新型コロナウイルスワクチン。47都道府県の接種率を比べると、その差は大きく、大都市を抱える地域は下位になる傾向が浮かびました。一方、1位は和歌山県、2位が高知県、3位は山口県。上位の県への取材で見えてきたものは―。

■1位「和歌山」は高齢者の10人に1人が接種

有働由美子キャスター
「新型コロナウイルスのワクチンについて、高齢者への接種率を示した47都道府県のランキング(接種1回目、16日時点)を見てみます。1位は和歌山県で9.48%。高齢者の約10人に1人が1回目の接種を終えています」

「2位は高知県、3位は山口県と続き、秋田県が10位で5.06%。緊急事態宣言を要請した沖縄県は18位で3.71%。東京は32位で2.31%、大阪は36位で1.72%、北海道は37位で1.67%。兵庫・千葉・埼玉・福岡・神奈川といった大都市のある自治体は、ランキングの下の方になっています。上位の3県で接種が進んでいる理由は何でしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「それぞれの自治体に聞きました。1位の和歌山県では、人口10万人当たりで全国1位のものが関係しています」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「ミカンではないですよね…。医師や看護師の数かなと思いました。(多いとワクチンを)打てる人も多くなるので」

■上位と下位の「差」 背景は…?

小栗委員
「正解は、一般診療所の数です。和歌山市では4月から、かかりつけ医の接種がスタートしていて、打つ場所が多いと言えそうです。2位の高知県も、町のクリニックなどでもワクチンを打っていて、入院していて自由に動けないという高齢者には、一般の高齢者に先駆けて4月上旬から接種を始めていました。3位の山口県は、『県の医師会や市町村のトップと早くから連携して整備を進めた。スタートダッシュに成功した』としています」

有働キャスター
「東京や大阪辺りで遅れが目立つのは、やはり感染者が多いことも影響しているのでしょうか?」

小栗委員
「感染が広がって医療がひっ迫していますし、そもそも人口が多いので、打った人数が多くても割合で見ると低くなってしまうということもありますね」

■接種本格化は「24日の週」

小栗委員
「ただ一方で、自治体によっては接種状況をリアルタイムで反映できていなかったり、接種そのものを慎重に進めていたりということがあります。自治体と向き合っている政府関係者によると、『接種が本格化するのは5月24日の週。それから1か月ほどたてば、より取り組みの差が出てくるだろう』と話しています」


「感染が広がっている地域は人員をワクチンにどうしても割きづらいでしょうし、この先、このまま行くとオリンピックとか衆院選とか、人が集まるイベントが続くのに、まだまだ接種率がこれだけ低いのは、ちょっと心配だなと思います」

有働キャスター
「自治体の皆さん、まさに今、試行錯誤されているところだと思いますが、やって良かった取り組みはぜひ他の自治体とも共有してもらって、接種のスピードアップにつなげてほしいですね」

(5月19日『news zero』より)