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「接種率」3週連続トップ…和歌山の戦略

2021年6月2日 10:10
「接種率」3週連続トップ…和歌山の戦略

都道府県別の新型コロナウイルスワクチンの接種率で、自治体ごとの差がくっきりと現れています。3週連続の全国トップは和歌山。協力するかかりつけ医の多さに加え、和歌山市のスピード感ある対応と事前の準備という「戦略」から生まれた工夫がありました。

■和歌山の高齢者「4人に1人」接種

有働由美子キャスター
「5月31日時点の、高齢者の1回目の新型コロナウイルスワクチンの接種率ランキングをみると、かかりつけ医の方々が多く協力している和歌山が3週連続のトップで27.42%でした。5月23日時点の17.47%から、さらに上昇しました。65歳以上の4人に1人はすでに1回の接種は終えています」

「5位は緊急事態宣言が出ている岡山県で22.02%。前回の16位からランクアップしています。同じく宣言が出ている京都(17.02%)・愛知(16.11%)・東京(15.90%)もそれぞれランクを上げてそれぞれ13位、16位、18位となっています。26位は福岡(14.29%)、29位が沖縄(14.08%)、33位が千葉(12.35%)。宣言が出されている大阪が34位で12.13%、広島が39位で11.28%。兵庫は43位で9.93%、北海道は44位で9.41%でした」

■保健所から「接種キット」発送

小野高弘・日本テレビ解説委員
「和歌山がトップを走るのには理由があります。その1つは、『あるもの』を配っているからです」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「冷蔵庫でしょうか」

有働キャスター
「ワクチンを入れる冷蔵庫ということですね」

小野委員
「正解は、接種キットの発送です。市から医療機関に配られるキットには、接種用の針が6本、『シリンジ』と呼ばれる注射器(筒の部分)が6本あり、ワクチン1瓶で6回分がすぐ打てるように、器具をセットにして送るようになっています」

有働
「行き届いてますね。現場でいちいち手間がかからなくて、良いですね」

小野
「ワクチンそのものの発送にも工夫があります。保健所から毎日約60の医療機関に1週間分まとめて発送します。その医療機関には事前に『どれだけ必要ですか』と聞き取りもしています」

■和歌山市「特別チーム」の工夫

有働
「和歌山はなぜここまでできるのでしょうか」

小野
「和歌山市には発送のための特別チームがあります。国が接種開始のスケジュールを示す3か月前にすでにつくっていました。市は人口当たりの診療所の数が全国で最も多いので、このメリットを生かそうということで、医療機関が求めることを事前にヒアリングしていました」

「1日に120人ほどの接種をしている市内のクリニックは、『準備を行政がやってくれることで、接種に専念できる』と話しています」

有働
「戦略によって差が出てきますね」

落合
「今の国の方針では、自治体ごとに戦略を立てるという全体戦略なので、自治体によって差ができることは仕方ないことなのかなと思います。これは日本の行政の仕組みから考えると当然で、それを変えるのは、このウイルスに対応するよりももっと時間のかかることなのかなと思いました」

有働
「今後を考えると一般の接種、職場や学校での接種も6月中には始まりますので、和歌山の良いところを、日本全体で真似していければなと思います」

(6月1日『news zero』より)

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