ひとり親への食料支援 「配送」ピンチ
立場の弱い人ほど新型コロナウイルスの影響を受けている中、支える側も苦しんでいます。所得が低い「ひとり親家庭」などに食料を届ける支援をしているNPOは、もともと手渡しを基本にしていましたが、コロナのため配送にシフト。ただ毎月100万円ほどの費用が大きな負担となり、継続が危ぶまれています。
■年収半減…「一番削るのは食費」
小学1年生の息子がいる30代のシングルマザーに話を聞きました。
「コロナが始まった去年の2~3月に私の仕事がまず…解雇という形になってしまって、パートを掛け持ちするような形で、なんとか生活費を稼いでいます」
コロナの影響で年収は半分以下になりました。
「一番削るのは食費になってしまって。食べたい物とか、子どもが好きな物とか、栄養面とかいうよりも、安くて量が多い物とか、そういう物ばかり買って食事にしていました」
■月1度の食品配送 「本当に楽に」
そんな中、利用を始めたのがNPOによる食料の支援でした。
「アレンジの利く食事が出せたり、レトルトの食品も届けてくださるので、手間がかからなくなりましたし、子どもが好きそうなお菓子だったりとか、いろいろ届けてくださるので、本当に楽になりました」
岩本乃蒼アナウンサー
「お子さんの反応はどうでしたか?」
女性
「大喜びで、段ボールが届くと率先して開けて、何が入っているか見ていました」
食料は月に1回配送されます。女性は「子どもと一緒に移動して食材を持って帰る(のは難しい)。電車でしか移動できないので、(取りに行くのは)物理的に難しいです」。対面より配送の方が助けになるといいます。
■配送費用が重荷に…「支援」募る
ひとり親家庭に食料を支援する活動を行う「グッドネーバーズ・ジャパン」(東京・品川区)を訪ねました。
岩本アナウンサー
「食品が入った段ボールが次々と運び込まれていきます」
この支援団体は、お菓子やレトルトのカレーなどを詰め合わせて、毎月約800世帯に届けていますが、今後、配送できなくなるかもしれないといいます。
広報
「配送費用がなかなか…。大きな負担になっていました。(毎月)80万円から100万円くらいです。もともとは対面で食品の倉庫に来ていただいて、直接皆さんの顔を見ながらお渡ししていました。配送費用が(事業の)コストに含まれていませんでした」
配送にかかる費用は、段ボール代を含めて毎月約100万円。この資金をまかなうため、助成金の申請をするとともに、クラウドファンディングも行っています。
岩本アナウンサー
「(この)個数と配送料(を考えると)、当たり前なんですが、今までなかったと思うと、大きな額だなと思いました」
広報
「余分なコストがかかってしまうのですが、こういった状況だからこそ、より食品の支援を必要としている人がいるので、ここはなんとか捻出して費用を募って届けていきたいなと思っています」
(6月3日『news zero』より)