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ワクチン偽情報やデマも…見抜く方法は?

2021年6月28日 21:31
ワクチン偽情報やデマも…見抜く方法は?

新型コロナウイルスのワクチン接種が進む一方で、偽情報やデマも広がり問題となっています。ただ、「新しいワクチンなので、デマかどうか分からない」という方も少なくありません。デマを見抜く方法を、詳しくお伝えします。

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27日の東京の新型コロナ新規感染者数は386人。前の週の同じ曜日を8日連続で上回っています。

一方、65歳以上の感染者の推移をグラフで見ると、4月上旬から高齢者へのワクチン接種が始まり、その後、徐々に接種率が高まるとともに、東京では新規感染者に占める高齢者の割合が低下してきているのが分かりました。

■産科婦人科の学会が妊婦へのワクチン接種を推奨

職場や大学での接種も広がり、若い人にも接種の機会が増える中、日本産科婦人科学会が26日、会見を開きました。

日本産科婦人科学会の木村正理事長は、「(ワクチン接種で)副反応は必ずあります。一定の副反応はあるわけですが、それよりもメリットの方が大きいだろうと(思われる)。妊娠されている方々も、どうぞお打ちください」と話し、妊婦へのワクチン接種を推奨しました。「ワクチンの副反応は、妊婦と一般の人で差はない」ということです。

こうした学会が推奨と発表したのは、大きな意味があるといえます。SNS上では誤った情報も含め、さまざまな情報があふれているので、信頼できる機関が積極的に発信することが必要です。


■河野ワクチン担当相 ブログに「ワクチンデマについて」投稿

こうした事態を受け、河野ワクチン担当相は自身のブログに「ワクチンデマについて」という投稿をしました。

この中で河野担当相は、ワクチン接種で不妊が多くなるというデマについて「これまでのワクチンが原因で不妊が起きたことはない。今回のコロナワクチンでも不妊が起きるという科学的な根拠がない」と指摘しました。

また、「ワクチン接種で遺伝子が組み換えられる」「長期的な安全性が分からない」といった情報についても「正しくない」とし、「ワクチンが遺伝子に組み込まれる可能性はないし、長期的な安全性についても特段の不安はない」と説明しています。

■妊娠中にワクチン接種の医師「積極的に選択肢の1つに」

河野担当相は、日本とアメリカでコロナ治療などに当たる医師らがホームページなどでワクチン情報を投稿している「こびナビ」の監修を受けて情報発信しています。

その、こびナビのメンバーの1人、ハーバード大学医学部助教授・内田舞医師に話を聞きました。

内田医師は妊娠中にワクチンを接種し、男児を出産しました。内田医師の話によりますと、アメリカではすでに12万人以上の妊婦がワクチンを接種し、接種後、流産率が自然発生率を上回ることはなく、ワクチンが妊娠に与える悪影響は確認されていないということです。

そして、「妊婦は感染した場合の重症化リスクが一般女性よりも3倍も高い。感染による長期の呼吸困難や発熱がお腹の中の赤ちゃんにも悪影響を与える」と指摘しています。

その上で、「妊婦は感染予防が大事なので、その一環としてワクチン接種を積極的に選択肢の1つにしてほしい」と呼びかけています。

■市販の薬 接種後の服用について問い合わせ急増

続いて、妊婦ではなく一般の人の話に移ります。ワクチン接種後には副反応が気になります。

痛みや熱が出たときには市販の薬を飲むこともあると思いますが、「ロキソニンS」を販売する第一三共ヘルスケアでは、ワクチン接種後の服用についての問い合わせが急増。これまで1日数件だったのが、今では100件規模になっているということです。

その多くは「接種後に服用しても大丈夫か」という確認ですが、「『ワクチン接種後の発熱にロキソニンSを服用してはいけない』と聞いた」や、「『鎮痛剤を服用すると抗体ができにくくなる』と聞いた」といった内容の問い合わせもあるということです。

厚生労働省は「ロキソニンSの成分を含む市販の薬は接種後に服用して問題ない」といっていて、第一三共ヘルスケアは急きょ、先週25日にホームページに「ワクチンを受けたあとの発熱・頭痛・接種部位の疼痛に対して、ご使用いただいて問題ございません」との情報を掲載しました。

ただし、子供や妊婦は飲んでも良い薬が限られているので、担当の医師に相談が必要です。

■ワクチン接種は任意も…接種めぐる相談

一方で、ワクチン接種は任意です。日本弁護士連合会には、ワクチン接種をめぐるこんな相談が実際に寄せられました。

看護学生から「『ワクチン接種をしないと、実習を受けさせない。そのため単位を与えられない』などと言われ、接種を強制されている」といった相談や、

総合病院勤務の人から「強制はされていないが、接種を受け終わると、そのことが名札に表示され、誰が受けたか、受けていないか外部の人からも一目瞭然になっている」といった話があったとのことです。

日弁連は「接種の有無というセンシティブな情報を名札に表示をするのは不当であり、接種していない人への差別だ」と指摘しています。

高齢者・介護施設では「職場から打ちたくないのであれば、ここでは働けない」と言われている人も…。これは事実上、クビということですよね。

    ◇

今のSNS時代では、一度デマを信じてしまうと、逆の情報に接する機会が減り、自分の意に沿わない正しい情報に関心を持たなくなってしまうリスクがあります。

ドキっとするようなワクチンの情報に接したときは、デマかもしれないので、ひと呼吸おいてください。人づての情報には、疑いをもって、根拠を確認することが大事です。

(2021年6月28日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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