“2メートル以上で脱マスク推奨”も…子供たちも悩む「感染対策」と「息苦しさ」のバランス
東京都で16日、新たに2377人の新型コロナ感染者が確認されました。「屋外」と「2メートル以上の距離」で脱マスクが推奨される中、学童クラブでは難しい判断が求められていました。「感染対策」と「息苦しさ」、子供たちもそのバランスに悩んでいます。
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16日、東京都で新たに2377人の新型コロナウイルス感染者が確認され、3日連続で1週間前の人数を下回る中、政府は「現時点では現実的ではない」としながらも、脱マスクのタイミングも検討しています。
東京・江東区にある学童クラブでは、難しい判断が求められていました。
机で勉強している子供たちの中で、マスクを外している子はいませんでした。しかし、その横の部屋で元気よく遊んでいる子供たちを観察してみると、マスクを完全に外している子供もいました。ドッジボールで暑くなり、マスクを外したようです。
初めはマスクをつけていた子供たちも、運動が激しくなるにつれ、“あごマスク”や“脱マスク”になっていました。
マスク外して運動した児童
「(運動中は)外してます。暑くて息苦しい。(常に)外したいはあるけれど、コロナだから危ないかなとは思ってます」
「感染対策」か、「息苦しさ」か、そのバランスに子供も悩みます。
推奨されている「屋外」と「2メートル以上の距離」で脱マスクについて、東京・葛飾区にある保育園で聞きました。
4歳児の母親
「『2メートルなら大丈夫』と言われるなら、(子供は)外したいなって感じです。ただ、大丈夫っていう根拠がほしいかな」
6歳児の母親
「絶対に、もう(子供同士)接近してると思うので、難しいです」
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暑くなるこれからの季節、さらに悩ましいのが、スポーツ中のマスクの着用です。
“脱マスク”について ソフトテニス部の学生
「(部活動で)マスクしないといけないと、汗とかプレーに影響したりという部分があったので」
16日、東京・新宿区の卓球スタジオでは、終始マスクをつけて練習する子供もいましたが、「アスリートコース」を受講する少年は初めからマスクなしで練習していました。言葉はほとんど発さないものの、思わず声に出した一言は「汗がとまらない…」。練習中、何度も汗をぬぐい、水分補給をしていました。
そして、卓球をしていた大人の2人は、完全にマスクを着用した人と、鼻が出た状態でマスクをした男性でした。その男性がつけていたのは、スポーツマスクです。
卓球のレッスンに通う男性(50代)
「これスポーツマスクなので、かなり汗が出てしまって、より空気が吸いにくいですね」
このスタジオでは、換気などの対策はとっているということです。
卓球スタジオ コーチ
「結構、卓球ってハードなので、逆に気分悪くされる方もいますので、状況みながら…」
――(原則)室内のマスク着用を促しているが?
卓球スタジオ コーチ
「正直なところ…難しいですね。これから夏場になれば、余計ですよね」
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“脱マスク”のタイミングについて、コロナ患者の対応にあたる昭和大学病院・相良博典院長は、「『常時マスクをしているべきだ』とは思わない。ある程度、みんなが守れる範囲で基準をつくることが重要なんですけれども、それがなかなかできないという現状では、屋内の場合はつける方が安全性が高い。『マスクを外していいんだ』というところが間違ったメッセージになって、じゃぁこれで(マスクを)外そうとなると、おそらくまた感染が広がってくるだろう」と指摘しました。
(5月16日放送『news zero』より)