高校生を見守ってきた「桜の道」はことしが最後に 新入生を歓迎する「黒板アート」に込めた思い
福岡県内の多くの県立高校で8日、入学式が行われました。北九州市の八幡中央高校では毎年、生徒たちが描いた黒板アートで新入生を迎えていますが、ことしの春は特別な思いが込められていました。
風に舞う桜の花びら。北九州市八幡西区の県立八幡中央高校では、桜色のアーチが新入生たちを迎えました。
■新入生
「みんなで青春したいなと思います。」
「バスケで県大会に行きたいと思っています。」
「2組、やったー。」
希望に満ちあふれ、新たなスタートをきった新入生たち。入学式を終えた彼らを待っていたのは、黒板アートです。
この学校の黒板アートは、春休みの間に美術部の生徒たちが、5クラスある新入生の教室それぞれに心を込めて描いたものです。八幡中央高校では7年前から続く、恒例の“お出迎え”です。
■新入生
「立体的。」
「めっちゃかっこいい。」
1年3組に描かれた黒板アートは「龍の滝登り」です。教室の窓から見える本物の桜と、黒板に描かれた桜がつながるように描かれ、桜の中を登っていく龍の姿が描かれています。
これから始まる高校生活を力強く歩んでいってほしいと願う、先輩たちの気持ちです。
そして、ことしの春は特別な思いも込められていました。
■2年・谷内りえさん
「桜の老化が進んで伐採されるというので、桜を取り入れたら、一生の思い出として残るかなと。」
八幡中央高校の生徒たちの成長を見守ってきた87本のソメイヨシノ。同窓会によりますと、68年前に植えられたということです。
樹齢を重ね、枝が落ちたり幹の空洞化が進んでいました。安全上の問題から、ことしの花が散ったあと、7割近い63本の桜が伐採されたり、剪定(せんてい)されたりすることが決まっています。
■2年生
「八幡中央を支えてくれてありがとうという気持ちで桜を見ます。」
■43年前に卒業した女性
「本当に高校の桜が大好きで、さみしいです。1つ学年が上がっていく時の象徴というか、がんばれよと応援してもらえているような感じで。」
■4年前に卒業した女性
「桜が咲いたころに学校に来始めて、ルンルンになるじゃないですか。それを思い出しますね。」
学びやを巣立つ卒業生を見送り、真新しい制服の新入生を迎えてきたソメイヨシノ。ことし秋ごろには伐採の予定で、卒業生たちは伐採された桜を接ぎ木などで残していきたいと願っています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年4月8日午後5時すぎ放送